名古屋学院大学シラバス


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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限原価計算基礎論春A名古屋 22久保田 良貴CT2312

【授業情報】

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講義概要

本講義「原価計算基礎論」では、管理会計の視点から原価計算の重要性とその使い方を学びます。工業簿記1・2では主に原価計算に関する仕訳や具体的な手続きに焦点を当てましたが、本講義では原価が経営にどのように活かされるか、特に経営判断や業績管理にどう役立つかに焦点を当てます。具体的には、企業の利益分析やコスト削減、製品価格設定など、経営の意思決定に必要な原価情報の使い方を学んでいきます。「管理会計のエッセンス」をテキストに、理論と実務をつなげながら、企業がどのように原価計算を行い、経営上の課題解決に活用しているかを学びます。
前半の講義では、管理会計の全体像を理解し、原価計算が企業経営においてどれほど重要であるかを学びます。その後、原価の仕組みを細かく整理し、変動費と固定費の違いを理解し、原価の動きや習性を学びます。この際、コスト・ビヘイビア(コスト構造の変化)の概念を理解し、損益分岐点分析(CVP分析)の方法も学びます。続いて、さまざまな原価計算手法を学び、それが企業の意思決定にどう役立つのかを考えます。
中盤以降では、実際の生産形態に合わせた原価情報の収集方法を学びます。たとえば、目標利益を設定して逆算でコストを決める「ターゲット・コスティング」や、工程ごとにコストを配分する「ABC活動基準原価計算」など、実際に企業が使っている戦略的な手法の基礎を学びます。
最終的には、秋学期の「原価計算システム論」で学ぶ高度な理論や情報システムに関連する内容へとステップアップできるよう、本講義で基礎的な理論と経営に役立つ活用法をしっかり習得します。講義では、理論的な解説だけでなく、実際の企業事例や簡単なケーススタディを使って、原価情報を経営判断にどう活かすかを考える力を養います。管理会計の柔軟な考え方と客観的なコスト分析を学び、将来、企業や組織で活躍できる基礎力を身につけます。
なお、この授業は、本学のディプロマ・ポリシー【思考力・判断力・表現力】のうち「実社会で生起する様々な課題を正確に理解し、それぞれの学問領域に即して解決策を考える」能力を養うことを主な目的としています。



【学習到達目標】

1. 管理会計と原価計算の関係を理解する
管理会計の全体像の中で原価計算が担う役割を正しく把握し、企業意思決定における重要な情報源であることを認識する。
2. 原価計算手法の基礎理論を習得する
変動費・固定費、標準原価計算、ABC活動基準原価計算など、各種原価計算の概要を理解し、それぞれの特徴と活用場面を説明できる。
3. 経営的な意思決定への活用を実感する
コスト分析やCVP分析を通じて、コスト低減や製品価格決定、利益計画などの経営判断に原価情報を活用する具体的なイメージを持つ。



履修上の注意

1. 商業簿記と工業簿記の基礎知識があると望ましい
本講義は関連科目である「工業簿記1」や「工業簿記2」と異なる視点を扱いますが、製造原価の基本的な仕組み(材料費・労務費・経費など)を理解していると学習がスムーズです。商業簿記の基礎や工業簿記の基本計算を復習しておくことを推奨します。
2. 遅刻・欠席に注意
本講義は段階的に内容が難しくなるため、一度欠席すると理解が遅れやすくなります。やむを得ない事情の場合は、早めに学習仲間や担当教員から内容を補填しましょう。私語や規定時間以上の遅刻・途中退席等、授業態度不良者とみなした場合は失格とすることもあるので、注意してください。



【事前準備学習】

事前学習: 初回までに「管理会計のエッセンス」の序章や管理会計の目的に関する部分を読んでおくと理解が深まります。工業簿記の基礎を復習し、費目別計算や部門別計算などの基本を整理することも推奨します。
事後学習: 各回の授業後は、講義で扱った理論を企業事例やケースに当てはめて考える練習を行います。教科書や配布資料の事例について、コスト分析や差異分析など、具体的な計算手続きを自分で試してみることが理解定着のポイントです。また、企業のニュースや経営戦略に触れる際、コスト管理面からの視点を意識すると学んだ内容を実感的につかむことができます。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『管理会計のエッセンス(原著第7版)』 ワシントン大学フォスタービジネススクール管理会計研究会・訳 同文舘出版 2022年
『管理会計のエッセンス(原著第7版)』は管理会計分野への入門として、理論と具体的な事例をバランス良く取り上げています。原価計算の基本構造から始まり、コスト分析や差異分析といった応用までをカバーしており、経営意思決定で原価情報をどのように活かすかがわかりやすく解説されています。演習問題も要所に配置されているため、授業外の自習にも最適です。
参考書『検定簿記講義/2級工業簿記〈2024年度版〉』 岡本清・廣本敏郎 編著 中央経済社 2024年
『検定簿記講義/2級工業簿記〈2024年度版〉』は、工業簿記に必要な基礎知識から応用までを網羅的に解説しています。特に、製造業における各種原価要素(材料費、労務費、経費など)の計算方法や仕分け方法に重点を置いています。各論点について、基本的な手続き方法を確認することで理解が深まります。
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

1. 演習課題・分析レポートの提出(60%)
原価計算理論や管理会計的分析手法の理解度を確認するための課題や、経営管理システムにおける原価計算の役割や重要性の理解を深めるためのレポートを出題します。
2. 平常点(40%)
授業への参加態度や質疑応答への積極性などを総合的に判断します。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1オリエンテーション
2管理会計の基本と原価計算の役割
3原価とは何かとコストの種類
4製造業の原価計算の基本
5標準原価計算とその活用方法
6活動基準原価計算(ABC)の基礎
7戦略的な原価計算の方法
8直接原価計算と経営判断
9原価差異と業績評価
10サービス業の原価計算
11原価情報を使った意思決定
12原価企画とコスト削減方法
13管理会計と企業戦略
14原価計算と組織の動き
15統合演習:ケーススタディ
16定期試験期間