【講義概要】
現在、世界では政変や戦争、内戦などが重なり、難民の数が増え続けています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計によれば、2023年時点で強制移動を強いられた人の数は約1億1730万人で、地球上の人間の約69人に1人が故郷を失っています。難民になるという経験は、もはや現代の歴史のなかで欠かすことのできない1ページになってしまいました。
本講義では、中東(パレスチナ・アフガニスタン・イラク・シリア)で故郷を追われた人々の経験に光をあて、出身地や背景の異なる彼らの経験に共通する構造的な暴力として、国民国家システムと人権保護制度の問題を検討します。
この授業は、本学のディプロマ・ポリシー【知識・技能】のうち「人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識を身に付けている」ことを主な目的としています。
【学習到達目標】
・「難民」とはどのような状況に置かれた人々かを説明できる。
・「難民」を生み出す構造的な暴力として国民国家と人権保護制度の限界について説明できる。
・欧米社会のイスラーム・イメージがどんな問題を抱えているのか理解する。
・マスメディア報道を批判的に読む姿勢を身に付ける。
【履修上の注意】
・レジュメは前日までにオンラインで公開するので、各自ダウンロードかプリントアウトをして準備しておくこと。
・受講生に発言を求めながら授業を進めるので、積極的に発言してください。
【事前準備学習】
・中東や難民関連のニュースに目を通す習慣を身に付けてください。
・毎回の授業後は学んだ概念について復習し、次の授業にのぞむこと。
・授業で紹介した文献や映像資料について学習することが望ましい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
| 教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
| 参考書 | 『難民』 市野川容孝・小森陽一 岩波書店 2007 『ガザに地下鉄が走る日』 岡真理 みすず書房 2018 『いっしょに考える難民の支援:日本に暮らす「隣人」と出会う』 森恭子・南野奈津子 明石書店 2023 |
| 指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
授業態度(20%)、学期中課題(80%)
【講義テーマ】
| 回数 | テーマ | テーマURL |
| 1 | イントロダクション | |
| 2 | 現代史のなかの「難民」 | |
| 3 | 中東・イスラームへの視座① イスラームの原理、イスラーム社会の多様性 | |
| 4 | 中東・イスラームへの視座② 「中東」という地域の作られ方 | |
| 5 | パレスチナと難民 | |
| 6 | 占領とガザ・ジェノサイド | |
| 7 | パレスチナ難民から見た世界 | |
| 8 | 対テロ戦争と日本 | |
| 9 | アフガニスタン侵攻 | |
| 10 | イラクへの侵攻 | |
| 11 | アラブの春 | |
| 12 | シリア内戦 | |
| 13 | シリア難民とヨーロッパ | |
| 14 | 日本での難民受入れの課題 | |
| 15 | 講義の振り返り | |
| 16 | 定期試験期間 | |