【講義概要】
本演習のテーマは「マイパブリックを実践せよ」です。
「公共(パブリック)」と聞くと、それは行政のこと、少なくとも自分とは縁遠いもの、という印象をもつ人が多いのではないでしょうか。これに対して三矢(担当教員)は、この「公共」に対する市民の関わり方や感度の低さこそ、日本の都市を貧困にしている、と思っています。
「公共=行政」という考え方は、一般的に「上からの公共」と呼ばれ、日本人は特に「公共はお上から与えられるもの」という感覚をもつ人が多いとされています。一方で「公共、市民意識」が高いとされる西洋諸国では、「公共=私たちの、みんなの=下からの公共、民衆による公共」という感覚をもつ人が多いとされています。
こうした高度な公共感覚こそが、公園や水辺、店先や軒先、道端を豊かに彩り、使いこなし、都市を豊かにしていると三矢は考えています。そこで本プロジェクト演習を受講する学生には、公共感覚を高める機会を提供したいと考えました。
そこでヒントとなるのが、田中元子氏が提唱する「マイパブリック」です。この言葉の背景には、よそよそしく、高尚で、大仰な印象を持つ「公共」という概念を、もっと身近で、私に近いものにしていこう、という発想が潜んでいます。平たく言えば「欲しい『公共』は自分でつくっちゃおう。もっと屋台!もっとベンチ!」というカジュアルな公共哲学が込められています。
「マイパブリック」を体得すれば、自分のまちを、好きなことができる場所に変えることができるようになる。そんな「今日からはじめるまちづくり」を学びたい人、ご参加ください。
【学習到達目標】
・現代社会の諸問題に対して社会科学的にアプローチする方法を身につける。
・「マイパブリック」に関する基礎的な理論の理解の他、その調査方法を使いこなすことができる。
・フィールドワークを通じて対象区域の「パーソナル屋台の実現可能性」を調査分析し、実践・評価できる。
【履修上の注意】
★履修者の選考を行います。4/9に実施する事前ガイダンスに出席することが必須です。
★「実践に伴う代休」が授業時間にあります。実践の日時をどうするのかは、授業開始後に決めます。このため、代休の時期が前後することをご承知おきください。
・遅刻や欠席は原則として認めません。また、毎回の演習内で、すべての受講生に積極的な発言をもとめます。
・演習の時間は各自の報告や議論に充てるため、その他の準備(文献の要約等)は授業時間外にもおこなっていただきます。また、授業時間外の時間帯、もしくは授業のある曜日以外の曜日を利用して、個別に、もしくはグループごとに学外でフィールドワークを実施します。
・最終レポートは、一グループ当たり3000字以上の執筆をめざす(10分プレゼン相当)を想定。
【事前準備学習】
日々の生活のなかで常にアンテナを張り巡らせて、諸都市で展開する「マイパブリック」の動向をチェックしておくこと。特に、新聞やテレビ、雑誌などのマスメディアで流れる「マイパブリック」関連の最新ニュースに接していくこと。必要に応じて、新聞の切り抜きなどを持参して演習に持ち寄り、履修者間でそれらの情報を共有することがのぞましい(60分)。 また、文献講読後は、テキストで出てきた諸概念や諸理論を日常生活のなかで応用してみること。演習で学んだ概念や理論は、自在に使いこなせるようになるまで訓練すること(90分)。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
| 教科書 | 『マイパブリックとグラウンドレベル』 田中元子 晶文社 2017 ABD(=対話型輪読会)では、教科書を使います。受講が確定した後、教科書は購入するようにしてください。 |
| 参考書 | 『インフォーマル・パブリック・ライフ』 飯田美樹 英治出版 2024 『サードプレイス』 レイ・オルデンバーグ みすず書房 2013 『パブリックハック_私的に自由にまちを使う』 笹尾和宏 学芸出版 2019 |
| 指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
■定期試験(60%):最終的にとりまとめた提案書をもって評価します。
■平常点(40%):各回に課された課題や宿題の内容をもって評価します。
【講義テーマ】
| 回数 | テーマ | テーマURL |
| 1 | 自己紹介ゲーム | |
| 2 | 私の身近なパブリック | |
| 3 | ABD①_マイパブリックとグラウンドレベル | |
| 4 | ABD② | |
| 5 | ABD③ | |
| 6 | パーソナル屋台のアイディア出し | |
| 7 | パーソナル屋台の基本計画 | |
| 8 | パーソナル屋台の設置場所探し | |
| 9 | パーソナル屋台の実施計画(日時、場所の調整) | |
| 10 | パーソナル屋台の広報計画 | |
| 11 | パーソナル屋台の準備(現地確認含む) | |
| 12 | パーソナル屋台の最終調整(プロトタイピング) | |
| 13 | 実践に伴う代休 | |
| 14 | プレゼン資料の作成 | |
| 15 | 成果報告会 | |
| 16 | 定期試験期間 | |