【講義概要】
・世界には世界政府はないものの、国際的・地域的にさまざまな制度が存在し機能することで、全体として「グローバル・ガバナンス(世界統治)」が達成されてきた。この授業では、そうした国際的・地域的な制度の束を「20世紀システム」と呼び、その特徴について学んでいく。
・まず(Ⅰ)第二次世界大戦直後、アメリカ主導下、「20世紀システム」がどのような形で生まれたのか確認し、その後、このシステムが(Ⅱ)アメリカの力が相対的に衰えをみせた1970年代と(Ⅲ)ソ連というライバルが不在となった冷戦後にどのように変容していったのか、について学んでいく。最後に(Ⅳ)中国の台頭により国際社会の力のバランスが大きく変化している現在、「20世紀システム」がどういった課題に直面しているのか、検討していきたい。
・この授業から、今後の日本と国際社会との関わりを考えていく上で基礎となる知識を手に入れてほしい。
【学習到達目標】
・授業内容に関係する新聞記事に興味を持ち、その内容が理解できるようになることを目標とする。
【履修上の注意】
・中学社会科(地理、歴史)の知識を前提とする。必要に応じ参考文献(下記)などを用い知識を補っていってほしい。
・評価は期末テストではなく、授業の節目(原則、講義3回に1度)に計5回実施する確認テストを中心に行う。15回の授業にコンスタントに出席し学習を続けられない学生には履修を勧めない。
・テストでは講義をもとに自分の文章で解答をまとめることができるかが試される。ネットで検索したものを編集・書き写した解答は評価しないので注意してほしい。
【事前準備学習】
毎日、30分ほどかけ新聞(中日、朝日、毎日、読売新聞のいづれかで、朝刊のみでもよい)に目を通し、授業内容と関連する報道記事を見つけて読んでいってほしい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
| 教科書 | 教科書は使用しない。 |
| 参考書 | 『『最新世界史図説タペストリー』』 帝国書院編集部 帝国書院 各年 『『新・国際政治経済の基礎知識 新版』』 田中明彦、中西寛編著 有斐閣 2010 各回の講義で追加分を紹介する。
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| 指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・確認テスト(15点×5回) : 75点
・授業への参加態度: 25点 *遅刻・欠席は減点される。
【講義テーマ】
| 回数 | テーマ | テーマURL |
| 1 | オリエンテーション/「20世紀システム」 | |
| 2 | 「20世紀システム」の確立1 国連と集団安全保障 | |
| 3 | 「20世紀システム」の確立2 地域安全保障制度 | |
| 4 | 「20世紀システム」の確立3 国際通貨・金融制度 | |
| 5 | 「20世紀システム」の確立4 国際貿易制度と国際援助制度 | |
| 6 | 動揺する「20世紀システム」1 国際通貨制度の変容/石油危機 | |
| 7 | 動揺する「20世紀システム」2 日米貿易摩擦/プラザ合意/南北問題の変容 | |
| 8 | 冷戦後の「20世紀システム」1 国連の集団安保の復活? PKO | |
| 9 | 冷戦後の「20世紀システム」2 国連の集団安保の復活?(つづき) | |
| 10 | 冷戦後の「20世紀システム」3 国際貿易制度の発展と地域経済統合 | |
| 11 | 冷戦後の「20世紀システム」4 地域安全保障制度の変容 | |
| 12 | 冷戦後の「20世紀システム」5 金融グローバリゼーションとアジア通貨危機 | |
| 13 | 「Gゼロ」の時代へ1 世界金融危機 | |
| 14 | 「Gゼロ」の時代へ2 「Gゼロ」 | |
| 15 | Gゼロ後の国際秩序 米中対立/地域分裂 | |
| 16 | 定期試験期間 | |