【講義概要】
特別活動は、子どもたちが学校生活の中で最も楽しみにしている教科外活動の代表であり、教育課程の一領域として位置づけられています。その何が子どもの心をとらえ、成長させるのか、またその成長の内容とはいったいどういうものなのか、一部で取りざたされる負の影響とともに学びます。
まずは学級活動、児童会・生徒会活動、学校行事、クラブ活動(小学校のみ)について、その特質をていねいに学びます。さらにキャリア教育の要として新設された学級活動「内容⑶」や、情動発達が注目される中で特別活動への期待が大きいこと、さらには特別活動の教育課程の海外輸出など、注目されている点を、その歴史的な背景とともに学びます。
さらには「教科」と「領域」の違い、「領域」としての特別活動が存在することが、日本の教育課程全体に及ぼす影響まで掘り下げます。非認知能力へ世界が注目していますが、日本にはその育成にまたとないほど合致している特別活動という教育課程が存在してきたことは、日本の教育の先見性を裏付けるものです。それにもかかわらず、「当たり前」「当然な」教育課程になってしまい、その意義や特質を理解しないまま教壇に立っている現職教員も存在します。本講義では、原理や理念の理解から、具体的な指導方法の習得までを、体系的なシラバスに従って学修していきます。
特別活動は海外にも輸出され、世界から注目されています。その理由を、実践する外国の教師や子どもの様子から学び取っていきます。価値観が違う他国は、特別活動に何を期待して取り入れ、その結果、どのようなことが実現しているのでしょうか。また逆に日本は、そこから何を学ぶべきなのでしょうか。海外比較という特別活動における最新研究動向を手がかりに、資料と意見交換を駆使して学び取ります。
本講義では、この特別活動の重要性と困難性を、小集団演習を通して体験的に深めていきます。協力して話合わないと、達成できないタスクに取り組むことで、話合い活動を方法の一つとする特別活動の意義を、体験しながら学んでいきます。
【学習到達目標】
・学習指導要領における特別活動の目標及び主な内容を理解している。
・教育課程における特別活動の位置付けと各教科等との関連を理解している。
・学級活動・ホームルーム活動の特質を理解している。
・児童会・生徒会活動、クラブ活動、学校行事の特質を理解している。
・講義室の仲間との様々なグループでの話合い活動を通じて、その特質と意義を体験的に理解している。
【履修上の注意】
座席は指定で、特別活動を特別活動的に学ぶために、数回の席替えをしながら、話合い活動を実体感していただきながら、よりよい指導法について考えていただきます。本講義は、小集団体験学習を重視した授業展開を特徴とします。
その点から、安易な欠席や話合いに参加しない態度は、仲間たちの学びの質に影響を及ぼしますので、厳に慎んでください。
様々な事情により、授業方法を変更したり、併用したりすることがあります。
CCSのMinutePaperを利用するため、PC等、意見を入力できるデバイスを持参すること。
第1回目から講義内でレポート入力を行い、提出してもらいます。履修変更等で第2回目から参加の人にも提出してもらいます。
【事前準備学習】
教科書及び学習指導要領の「特別活動編」を通して、具体的な課題意識の掘り起こしを行います。教科書の指定部分を読んでくる、読んで要約をしてCCSに入力をする、など事前事後学習にも教科書を導入します。
毎時、振り返りシートへの記入を積み重ねることで、学びの深まりを実感していただくとともに、オリジナルなレポートをまとめ上げていく基盤づくりを行います。毎時、予習・復習各2時間に相応する資料を配付します。講義で得た「問い」を解決すべく、意欲的な学習態度を期待します。
学級活動⑴の動画視聴によるレポート作成を講義中盤に行う予定です。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
| 教科書 | 『特別活動』 矢野博之編著 学文社 2021 毎回、教科書を使って学修を進めます。また教科書から指定部分を読んで、意見を記す宿題を課すことがあります。これまで、印刷資料が多い点が、学生による授業アンケートで改善点として、学生側から指摘されました。また授業終末での振り返りシートへの記載時、教科書の指定箇所に関する感想を課す場合があります。 |
| 参考書 | 『高等学校学習指導要領解説 特別活動編』 文部科学省 東京書籍 2019 『中学校学習指導要領』 文部科学省 東山書房 2018 『特別活動指導資料 みんなで,よりよい学級・学校をつくる特別活動 小学校編』 文部科学省 文溪堂 2019 『学校文化を創る特別活動 中学校・高等学校編』 文部科学省 東京書籍 2023 『三訂キーワードで拓く新しい特別活動』 日本特別活動学会監修 東洋館出版社 2019 参考書の中には、文部科学省HP、国立教育政策研究所HPからダウンロードできるものもあります。詳しくは講義で申し上げます。 |
| 指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
講義内のリフレクションペーパーへの記述内容の質とグループ検討レポート(40%)、動画視聴レポート(30%)、学期末レポート(30%)の比率で評価を行う。
【講義テーマ】
| 回数 | テーマ | テーマURL |
| 1 | オリエンテーション(アンケートレポート作成による自身の特別活動体験の振り返り) | |
| 2 | 子どもたちの今日的状況と特別活動 | |
| 3 | 学習指導要領における特別活動の目標と内容 | |
| 4 | 特別活動の各内容とその基本的性格(特質) | |
| 5 | 特別活動と総合的な学習の時間との関連(学校目標を実現するカリキュラムマネジメント) | |
| 6 | 特別活動と道徳科との関連(体験的な活動と道徳性の発達及び育成) | |
| 7 | 特別活動とボランティア活動、および家庭・地域住民や関係機関との連携 | |
| 8 | 様々な集団活動とその在り方 | |
| 9 | 学級活動・ホームルーム活動の特質、および現状と課題 | |
| 10 | 生徒会活動の現状と課題、よりよい指導の在り方 | |
| 11 | 学校行事の現状と課題、よりよい指導の在り方 | |
| 12 | 特別活動の歴史(国内)と今日的意義(世界的な動向と非認知能力) | |
| 13 | 特別活動と生徒指導(発達支持と学級経営) | |
| 14 | 特別活動の評価(集団活動、合意形成およびキャリア発達の振り返りとフィードバック) | |
| 15 | 特別活動の課題と展望 | |
| 16 | 定期試験期間 | |