【講義概要】
本講義では、まず、生徒指導と進路指導の意義と方法、また個々の学生の体験を問うことから始め、その上で、個別指導と集団指導、チーム指導を実際にどのように展開していったらよいかという点に関する理解を、教科書と「生徒指導提要」、および配付する具体的な資料をもとに深めていきます。すねわち学校全体、学級全体への集団指導と、様々な問題を抱える児童生徒個人への個別指導の原理と方法を学んでいくということです。
生徒指導分野では、生徒指導が「機能概念」である点を理解できるよう、自分自身の体験をていねいに想起しつつ、仲間との意見交換や様々な資料を通じて考えます。個人的な体験を相対化し、時代の変化と目の前の子どもに合った生徒指導を選び取ったり、想像したりできるようにします。生徒指導の現代的な意義をとらえ、具体的に学校では何を、どのように行うのか、という点を明確化します。一人ひとりの人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的な資質や行動力を高めるとは一体どのようなことか、生徒指導と教育相談の方法原理に鑑みながら、事例検討も交えて学びます。
他国の教育課程を概観する中で、日本の学校教育の特殊性を生徒指導から把握します。その点を踏まえて、外国人児童生徒や特別な支援を要する児童生徒への生徒指導や進路指導の在り方を、最新資料・データを参考に学びます。
進路指導分野では、学級活動・ホームルーム活動「内容⑶」をていねいに学び、学習指導要領の今期改訂の意義をおさえ、「キャリア教育の要」の意義を確認します。さらに「キャリアパスポート」の活用など、実践的なキャリア教育の方法を学びます。
生徒指導も進路指導も、経験と勘のみで指導する時代は、終わっています。どのような資料やデータを収集し、どのように分析し、チームでいかに関わるか、講義後に自分の言葉で語れるようにいたします。
【学習到達目標】
1 生徒指導と進路指導の基本的な考え方、方法原理(集団指導・個別指導)について理解している。
2 教育課程における生徒指導の位置づけ、生徒指導体制と教育相談体制の基本的な考え方と違いを理解している。
3 「キャリア教育の要」としての特別活動、ことに学級活動「内容⑶」の意義を理解し、授業づくりの流れを説明できる。
4 校則・懲戒・体罰・停学及び退学を含む生徒指導に関する主な法令の内容を理解している。
5 暴力行為・いじめ・不登校等の生徒指導上の課題の定義及び対応の視点、関連法規を理解している
【履修上の注意】
・本講義は、小集団体験学習を重視した授業展開を特徴とします。子どもの数だけ、生徒指導や進路指導は存在します。しかし一般に、自分自身の体験を絶対視しがちです。小集団で意見交換、体験の共有をする中で、仲間の個性を知り、その人が生徒指導や進路指導についてどのような体験をし、人生においてどのように位置づけたか、を知ることで、自分が無意識に身に着けた指導観への気付きを促します。このようなことから、安易な欠席や参加しない態度は、グループの仲間の学びの質に影響を及ぼしますので、厳に慎んでください。
・教科書中のデータや事例を研究材料しながら、「生徒指導提要」にある関連法規の理解を進めます。客観的なデータをどのように読むのか、児童生徒関連の情報をどのように収集するのか、そして法律上の位置づけを知ることで、生徒指導や進路指導、キャリア教育の理解と指導力、実践力を高めます。
【事前準備学習】
教科書や国のガイドラインである「生徒指導提要」(デジタル版、ダウンロード可能)の事前に読むべき箇所を指定し、具体的な課題意識の掘り起こしを行います。声掛けや個別面談のロールプレイを通じて、信頼を得るための実習を含みます。その学修活動後には、実生活で気をつけたことなど、自分の取り組みついて、事後学修報告をしてもらうことがあります。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
| 教科書 | 『生徒指導・進路指導-第三版』 林尚示他 学文社 2024 最新データが盛り込まれましたので、本教科書を採用します。授業で毎回使います。 |
| 参考書 | 『生徒指導提要改訂の解説とポイント:積極的な生徒指導を目指して』 中村豊 編著 ミネルヴァ書房 2023 『生徒指導提要』 文部科学省 文科省サイトよりダウンロード可能 2022 『生徒指導論』 犬塚文雄 文化書房博文社 2011 『中学校キャリア教育の手引き』 文部科学省 教育出版 2011 『現代生徒指導論』 日本生徒指導学会 学事出版 2015 生徒指導提要は文部科学省HPより、必ずダウンロードしておいてください。 |
| 指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
リフレクションペーパーへの記述の質(30%)・グループ検討レポートや実習の振り返りワークシート等への記述(20%)・期末を含む複数回のレポート(50%)の比率で評価を行う。
【講義テーマ】
| 回数 | テーマ | テーマURL |
| 1 | オリエンテーション | |
| 2 | 生徒指導の現状と問題点 | |
| 3 | 生徒指導のための基礎理論1(「機能概念」とは何か) | |
| 4 | 生徒指導のための基礎理論 2(集団指導・個別指導の方法原理) | |
| 5 | 生徒指導のための基礎理論 3(生徒指導の4つの視点) | |
| 6 | 2軸3類4層の構造の理解とその実例 | |
| 7 | 校則・懲戒・体罰・停学及び退学等の生徒指導に関する主な法令とその理解 | |
| 8 | 特別な支援を要する子ども変理解と対応および発達支持 | |
| 9 | 家庭・地域連携、保護者対応の実際 | |
| 10 | 専門職・専門機関等との連携 | |
| 11 | 進路指導の現状と問題点 | |
| 12 | 進路指導のための基礎理論 | |
| 13 | 進路指導・キャリア発達支援の実際(学級活動・HR活動⑶の在り方) | |
| 14 | 自己目標の段階的設定支援と進路相談 | |
| 15 | 生徒指導・進路指導の課題と展望(現代的な問題、教科・領域との連携を踏まえて) | |
| 16 | 定期試験期間 | |