【講義概要】
現代世界のイメージを構築した「大英帝国」と〈歴史とは何か〉について考えます。
パンデミックが起こるほどにグローバリズムの時代を迎えている世界はいったいどのように形成されてきたのでしょう? その歴史と様々な文明論的視野を踏まえた〈現代世界の諸問題〉を考えざるをえない状況に私たちは直面しています。
そこでは、WHOがパンデミックを議論すると同時にインフォデミック(infodemic)への注意喚起を呼び掛けた(それについての議論も多々生じていますが)のと同様に、グローバルに物事を考えるには、なるべくファクトに自らの思考を引き寄せつつも、多重多層のファクトを受容していく柔軟な知性が求められています。
この講義では、BBC/The Open University 制作『Empire 大英帝国の功罪』(2012年)全5巻を基礎に「現代世界」の形成を概観しつつ、長らく国際関係を考える際に古典とされてきたE・H・カーの『歴史とは何か 新版』(岩波書店2022)に拠りながら、21世紀のグローバル世界を考えていきます。
【学習到達目標】
グローバル資本主義の形成過程についての認識を持ちつつ、〈歴史とは何か〉について考えるコモンセンスを構築します。
【履修上の注意】
ニュース報道へのリテラシーを身につけるよう心がけて下さい。
【事前準備学習】
事前に提示する資料をよく読み、講義では映像資料を多用するので関連映像も丹念に余念無く復習に励んでください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『『歴史とは何か』』 E・H・カー 岩波新書 1962 古書店探ればとても安価に手に入りますので、古書探しの練習にも。 |
参考書 | 『『メタヒストリー――一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』』 ヘイドン・ホワイト 作品社 2017 他に、国際政治学で教科書としている、武者小路公秀『国際社会科学講義』(国際書院2015)も併せて参考にして下さい。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
出席・小レポートの提出など平常点を総合して評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | はじめに | |
2 | 世界・国際・グルーバル―現実世界のイメージの形成 | |
3 | 世界・国際・グルーバル―仮想世界のイメージの形成 | |
4 | 第四回 大英帝国の功罪(1)覇権の味 | |
5 | 第五回 大英帝国の功罪(2)英国式生活を求めて | |
6 | 第六回 大英帝国の功罪(3)フェアプレー精神 | |
7 | 第七回 大英帝国の功罪(4)富の追求 | |
8 | 第八回 大英帝国の功罪(5)帝国の功罪 | |
9 | 第九回 はじめに(R.W.デイヴィス)/第二版への序文 | |
10 | 第十回 歴史家とその事実 | |
11 | 第十一回 社会と個人 | |
12 | 第十二回 歴史・科学・倫理 | |
13 | 第十三回 歴史における因果連関 | |
14 | 第十四回 進歩としての歴史 | |
15 | 第十五回 地平の広がり | |
16 | 定期試験期間 | |