【講義概要】
この授業は人間形成を促す教育課程はどのようなものかということについて探究することを主題とする。
教育課程の問題は、学校教育において、児童・生徒に何を教え何を学ばせるかという問題について研究することであるが、その問題はつきつめると子どものニーズと社会の要求の2つの要素をどのように統一していくかという問題になる。
そのような視点に立つことにより、学習指導要領を基準に各学校が編成する教育課程の意義や編成の方法、ならびに各学校の実情に合わせてカリキュラム・マネジメントを行うことの意義を理解したい。それらに加えて、教育課程にかかわる基礎的・基本的事項についての理解を深めることをめざす。
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この授業は、こどもスポーツ教育学科の「学科専門科目」「初等教育科目」である。
そして教職課程のカリキュラムのうち「教育の基礎的理解に関する科目」の「教育課程の意義及び編成の方法(カリキュラム・マネジメントを含む。)」に対応している。
また、本学のディプロマ・ポリシーのうち以下の能力を養うことを主な目的としている。
【知識・技能】
・幼稚園および小学校における教育内容を理解し、適切な指導ができる。
【思考力・判断力・表現力】
・社会における幼児教育ならびに初等教育に関する課題の実態を把握し、その関連要因、解決方法あるいは改善策を提示することができる。
・幼稚園ならびに小学校において、対象の特性や諸条件に合わせて適宜教育・指導計画を立案し、実践の場面で臨機応変に改変し対応することができる。
【主体性・多様性・協働性】
・こどもやスポーツならびに教育に関する情報を、積極的かつ広範に求める態度を身につけている。
・教育・指導の場面においては、参加者(受講者など)の立場を考慮することができる。
【学習到達目標】
この授業では、学校教育における教育課程の役割・機能・意義を理解すること、わが国の戦前と戦後の教育課程の歩みを理解すること、学習指導要領の性格と位置づけおよびその改訂の変遷や経緯・背景について理解すること、教育課程編成の基本原理および編成の方法について理解すること、カリキュラム・マネジメントの意義や重要性について理解すること、教育課程の評価について理解すること、教育課程の今日的課題について理解することなどを目標とする。
【履修上の注意】
・グループワークの際には、相手の意見や経験を尊重するとともに、自分自身の意見や経験の相対化を意識するように努めましょう。
・講義内でのワークシートは自らの考えを深めるツールです。積極的に取り組みましょう。
・毎回の講義資料やノートを持参し、講義中に振り返りができるようにしましょう。
・自分自身の被教育経験を振り返りつつ、教科や学校種を超えた柔軟な姿勢で臨みましょう。
【事前準備学習】
テキストや配布資料を授業の事前事後に読むようにしましょう。
特にテキストは事前・事後に読むことで、理解が深まります。
講義後には疑問点等をまとめ、次時の学習に活かすようにしましょう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『MINERVAはじめて学ぶ教職10 教育課程』 根津朋実 編著 ミネルヴァ書房 2019 『小学校学習指導要領解説 総則編』 文部科学省 東洋館 2018 |
参考書 | 『第4版 新しい時代の教育課程』 田中耕治、水原克敏、三石初雄、西岡加名恵 有斐閣アルマ 2019 『小学校学習指導要領』 文部科学省 東洋館 2018 |
指定図書 | 『カリキュラムマネジメントの理論と実践』 田村知子著 日本標準 2022 『OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来 : エージェンシー、資質・能力とカリキュラム』 白井俊著 ミネルヴァ書房 2020 『カリキュラム・マネジメントと授業の質保証 : 各国の事例の比較から』 原田信之編著 北大路書房 2018 |
【評価方法】
試験の結果を主たる評価対象(70%)とし、提出物および授業態度(30%)を加味して総合的に評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 教育課程(カリキュラム)の意義 | |
2 | 近代日本の教育課程・教育課程の類型論 | |
3 | 戦後「新教育」のカリキュラム改革 | |
4 | 系統性重視の教育課程 | |
5 | 教育の現代化と教育課程 | |
6 | 「新しい学力観」と教育課程 | |
7 | 「生きる力」と教育課程 | |
8 | 教育課程と学習指導要領の関係 | |
9 | 教育課程の思想と構造 | |
10 | 教育課程編成の原則 | |
11 | 教育課程編成の方法 | |
12 | カリキュラム・マネジメントについて | |
13 | 教育課程評価について | |
14 | 社会システムと教育課程 | |
15 | 教育課程の今日的課題 | |
16 | 定期試験期間 | |