【講義概要】
■ 講義の概要
本講義では,特に,戦後の日本経済史を中心に講義を行う.1945年の敗戦後,日本経済は,1950年代半ばから高度成長期を迎え,1968年にはGNPで西ドイツ(当時)を抜いて世界で第2位の経済大国となった.その後,2回の石油危機の下でも安定的に経済は成長し“Japan as No.1”と呼ばれた.しかし,1991年のバブル崩壊後,「失われた30年」と呼ばれる長期停滞期を迎え,2023年には名目GDPで世界第4位に転落した.
本講義では,こうした戦後の日本経済史について,講義資料や映像資料等を用いて学習していく.そして,「日本経済の過去・現在・未来にどのような課題があったのか(あるのか)?」について,課題発見能力を修得できるようなプログラムを用意する予定である.
※より発展的な内容については,「日本経済論」(2年次以降,秋学期),および,「現代日本経済史」(2年次以降,秋学期)を受講されたい.
■ 学部のディプロマ/カリキュラムポリシーとの関係
本講義は,経済学部のディプロマポリシー『知識・技能』のうち,「経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる.」,『思考力・判断力・表現力』のうち,「政治・法律分野とのつながりを理解し,経済社会を多面的に捉えることができる.」,「経済社会の現実における課題を自ら発見し,経済学を基盤とした知識を実際の経済社会へ応用することができる.」を修得することを目的としている.
本講義は,COC地域志向科目である.
【学習到達目標】
(1)受講生が基本的な経済指標の見方について理解する.
(2)受講生が戦後の日本経済史について説明できるようになる.
(3)受講生が日本経済の現状と課題について理解する.
【履修上の注意】
(1)講義は,毎週,対面で行われる予定である.
(2)講義は積み重ね方式になっているので,それまでの講義で習ったことが頭に入っていなければ,講義内容がどんどんわからなくなってしまう.したがって,欠席や遅刻等をしないこと.
(3)多くの講義では,反転授業を取り入れる予定である.具体的には,まず,講義資料を見ながら,学習ノートの穴埋めを行ってもらった後,解説を行う.講義資料は教材ボックスに配布するので,毎回,ノートパソコンやタブレットを携帯すること.
(4)講義資料や学習ノートの解説後,復習問題を行ってもらうので,それを活用して講義内容の理解を確実なものにすること.
(5)受講者の講義への積極的な参加を希望する.積極的に意見や質問を行ってもらいたい.
【事前準備学習】
受講前:
日頃から新聞を読んだりニュースを見たりしながら日本経済に関心を持つこと.
受講中:
学習ノートに,授業後,自分で見返して分かるようなメモを取ること.授業後に,課題として提出してもらう.
受講後:
(1)講義資料や復習問題を参考に復習を行うこと.
(2)さらに深く勉強したい箇所について,「さらなる学習のために」に記した文献を学術情報センターで借りるなどして該当箇所を読むこと.
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 本講義では,特定のテキストは使用しない.代わりに,講義資料,学習ノート,復習問題,動画等をCCSの「教材BOX」にアップするので,これらを用いて授業内での学習と授業外での予習・復習を行っていただきたい. |
参考書 | 『戦後経済史: 私たちはどこで間違えたのか』 野口悠紀雄 日経BPマーケティング 2019年 『入門・日本経済 第6版』 浅子和美・飯塚信夫・篠原総一 有斐閣 2020年 『日本経済論・入門〔第3版〕: 戦後復興から「新しい資本主義」まで』 八代尚宏 有斐閣 2022年 『日本経済論』 伊藤隆敏・星岳雄 東洋経済新報社 2023年 『日本経済論[第2版]』 櫻井宏二郎 日本評論社 2023年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎回,学習ノートにメモを取ってもらい,授業後に課題として提出を行ってもらう(40点満点).また,学期末試験(60点満点)を行う.そして,課題提出+期末試験の合計100点満点で,以下のように絶対評価を行う.
90 点以上の場合 → S,80点以上89点以下の場合 → A,70点以上79点以下の場合 → B,
60点以上69点以下の場合 → C,59点以下の場合 → D
なお,学期末試験を受験したとしても,6回以上の欠席で「受験資格なし」とするので注意すること.
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 講義の概要とガイダンス | |
2 | 様々な経済指標の見方(1):GDP,GNI,経済成長率等 | |
3 | 様々な経済指標の見方(2):一人当たりGDPとGDPの中身 | |
4 | 様々な経済指標の見方(3):物価,失業率等 | |
5 | 様々な経済指標の見方(4):金利,貨幣供給量,貨幣残高等 | |
6 | 様々な経済指標の見方(5):財政収支,政府債務等 | |
7 | 様々な経済指標の見方(6):為替,経常収支,金融収支等 | |
8 | 戦後復興期と高度成長期 | |
9 | 安定成長期:石油危機,プラザ合意,円高不況,バブル経済 | |
10 | 長期停滞期(1):バブル崩壊と90年代不況 | |
11 | 長期停滞期(2):小泉構造改革 | |
12 | 長期停滞期(3):リーマンショック,民主党政権誕生,東日本大震災 | |
13 | 長期停滞期(4):アベノミクス | |
14 | 日本経済の現状と課題(日本銀行名古屋支店による出張講義(予定)) | |
15 | 授業総括 | |
16 | 定期試験期間 | |