【講義概要】
この講義は企業活動を貨幣価値で「見える化」する会計情報と、その基礎としてのデータ入力の技法とされる簿記の基本的な考え方と仕組みについて扱う。
簿記は企業の日常の取引を一定の形式にもとづき記録・集計・集約して一覧表等を作成する手続きである。しかし、一覧表等を作成することが重要なのではなく、それらの手続きに込められている意味と、一覧表の活用が重要なのである。
この講義では、日常的な簿記の手続き、その手続きにおける企業経営上の気づき、一覧表の活用について概説する。簿記の手続きにより作成される一覧表等は企業内部の経営上の理由から作成されるとともに、わが国では法令や会計基準等により定める一定の形式の一覧表等の公開が企業には求められ、さらには借入先やときに取引先に一覧表等の提出を求められることがある。これらの一覧表等は提供される相手により異なり、またその目的により異なる。
みなさんは、簿記の手続きについては簿記A・Bや工業簿記で、一覧表等の活用については財務諸表論・財務諸表分析、および管理会計論で詳細に学習することになる。この講義では、これら科目で扱う内容の基本的事項と、それらが企業経営においていかに重要であるかを学習する。
【学習到達目標】
企業経営における会計情報の重要性とそのためのデータ入力である簿記の基本的な仕組みを理解する。その理解のもとに、会計情報の理解、経済社会における会計(情報)の役割を理解し、その活用の基礎を理解できるようになる。
【履修上の注意】
① 各回の講義は1回完結ではなく、内容は関連しています。
② 簿記の初歩的な内容を一部取り扱うので、問題演習がある場合があります。
③ 自らWEBサイトを確認して課題提出を求める場合があります。
④ 3分の1を超えて授業欠席をするものは失格とする。
【事前準備学習】
会計情報が活用される状況を講義で取り扱います。この情報へのアクセス、またそれに伴う宿題に取り組むなどの事後学習が求められます。この講義の内容は各回が連続しているので、前回の事後学習がそのまま次回の事前学習となります。したがって、各回の最後に指示される学習に取り組む必要があります。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | この講義では教科書はありません。講義で必要とする資料等はCCSで事前に配信します。 |
参考書 | 『なぜ、会計嫌いのあいつが会社の数字に強くなった?』 村上祐太郎 東洋経済新報社 2016 『会計のしくみ 第2版』 佐藤誠二・石川文子・永田守男・佐藤郁裕 森山書店 2019 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
期中の課題提出等:30%
期末テスト:70%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 企業経営における記録(簿記)の重要性 | |
2 | 税と簿記の歴史-人の活動には記録が必要 | |
3 | 税と簿記の歴史 | |
4 | 簿記の基本的な仕組み | |
5 | 簿記から会計(学)へ | |
6 | 会計情報の公表—それは何を伝えるか? | |
7 | 貸借対照表のイメージ図で企業のことを知ろう | |
8 | 損益計算書のイメージ図で企業のことを知ろう | |
9 | 企業のビジネスの違いは貸借対照表と損益計算書に現れる | |
10 | 会計情報から企業を評価してみよう-財務諸表分析 | |
11 | 財やサービスの価格をどう決定するか-原価計算 | |
12 | 企業の利益を増やすにはどうしたらいいのか? | |
13 | どれだけ財やサービスを提供すれば儲かるのか? | |
14 | 情報の非対称性と監査 | |
15 | 監査は何をしているのか? | |
16 | 定期試験期間 | |