【講義概要】
倫理とは、「人間として行わなければならない正しい道」を意味しています。すなわち、私たちがその生活の中で正しく考え、正しく行動するための基準、あるいは方向性を与えてくれるものが倫理です。ところで、そのように私たちの行動を決定づける基準には、様々なものがあります。正義、平和、愛、平等、自由、連帯、寛容、生命、分配、奉仕などです。
この授業では、キリスト教的な観点から、私たちが実践しなければならない正しい道が何であるのかについて学び、考え、討論しながら、自らが属する世界に対する理解を深めていき、「自分が望む自分」を探求することを目指します。
そのため、先ず「倫理」に対する様々な観点について見た後、キリスト教倫理の中心であるイエスの教えとキリスト教的価値観の形成過程、キリスト教の代表的な思想家について見ます。その後、実際の事例を通して様々な倫理的課題についてキリスト教あるいはキリスト者がどのように考え、行動してきたのかについて考察し、共に討論していきます。
この授業は、本学のディプロマ・ポリシー 【主体性・多様性・協働性】のうち「謙虚に学び、他者を理解・尊重して、よりよい人間関係を築く」ことを主な目的としています。
【学習到達目標】
・様々な倫理的な観点およびキリスト教的な倫理観について説明することができる。
・様々な社会的な課題に対するキリスト教の考えや行動について説明することができる。
・様々な社会的な課題に対する自分の考えを整理して述べることができる。
【履修上の注意】
・授業中の私語やスマートフォンの使用は厳禁とします。
・各回の講義テーマは進捗状況に応じて変更になる場合があります。
【事前準備学習】
授業前:毎週のテーマについて事前に調べておいてください。
授業後:授業の内容を復習してください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 使用しません。 |
参考書 | 授業の中で紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
授業コメント:70%
授業態度:20%
チャペルアワーの小レポート(2回分)または教会の礼拝出席の小レポート(1回分):10%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション | |
2 | キリスト教の倫理観➀:様々な倫理観について | |
3 | キリスト教の倫理観➁:イエスの教えおよびキリスト教的価値観の形成 | |
4 | キリスト教の倫理観➂:キリスト教倫理の思想家たち | |
5 | キリスト教倫理と経済:日本のクリスチャン経営者たち | |
6 | キリスト教倫理と社会福祉:賀川豊彦 | |
7 | キリスト教倫理と障がい者:ヘレン・ケラー | |
8 | キリスト教倫理と人類愛:シュバイツァー | |
9 | キリスト教倫理と国家の暴力:ボンヘッファー | |
10 | キリスト教倫理と差別反対運動:キング牧師 | |
11 | キリスト教倫理と環境問題:レイチェル・カーソン | |
12 | キリスト教倫理と平和運動:ミトリ・ラヘブ | |
13 | キリスト教倫理と人工知能および生命権:攻殻機動隊 | |
14 | その他の倫理的な争点について | |
15 | 授業のまとめ | |
16 | 定期試験期間 | |