【講義概要】
本講座では、まちづくりを考える際に意識すべき「人」について、以下の三点に焦点を当てて学びます。
一つは「こども」です。ここでいう、こどもとは、乳幼児期から就学前、就学後の小学生くらいまでを主な対象として考えています。このくらいの年齢のこどもは、生活行動範囲が徒歩圏内にとどまることが多く、また、保護者のサポートなくして自由に移動することが難しいため、与えられた生活環境(まち)の影響が強いため、まちづくりを進める際に注意すべき対象と言えます。
二つ目は「高齢者」です。これも、こども同様の考え方が重要となります。例えば、各種の機能低下がおきた高齢者は、車の免許を返納することも多く、こども同様に生活行動範囲が狭くなりがちです。徒歩圏内のまち(生活空間)がどのようにデザインされているのかが重要となります。
三つめは「主体形成」です。まちづくりを巡る「人」の問題と言えば、「まちづくりの担い手」です。一般的に、どこの地域でも「まちづくりの担い手不足」が問題となっており、自分たちのまちを自分たちで考え、よくする、そこに関わる主体をどのように育むのかが問われています。
以上により、まちづくりと人の関係、まちづくりを担う人のあり方について、基本知識から実践例までを学びます。
本講義は、現代社会学部ディプロマポリシーの現代社会における<人間社会と心理>、<経済社会と企業>。<社会制度と政策>および<社会生活と地域>という4つの基本分野に関する専門的知識を修得できるともに、現代社会がもつさまざまな側面にアプローチし、それらを洞察し、的確に判断できることをめざします。また、「社会を知り人を想う」ことで新たな社会を創造しようとする精神を身につけることを目的とします。
*COC地域志向科目
【学習到達目標】
本講義では、まちづくりと人の関係、まちづくりを担う人のあり方について、その課題や課題解決の方法について理解を深めることを目標とします。そのうえで、まちづくりの当事者としての自分のあり方に目を向け、自分がどのようにまちづくりに関わっていけるのかを考えられるようになることも目標とします。
【履修上の注意】
どこの地域にも、まちづくりを担う人、団体がいます。自分が住んでいる地域、学んでいる地域、活動している地域において、どのようなまちづくり人やまちづくり団体が活動をしているのか、アンテナをはるようにしてください。自分の関心に会いそうな人や団体があれば、積極的に調べ、まちづくりを自分事として考えることを心がけてください。
【事前準備学習】
常日頃、新聞や雑誌(情報誌)、あるいは下記の参考書などを手に取り、講義テーマにかかわる記事等について、読んで頭の中に入れておいてください。そうすることで、講義内容の理解度が深まります。 事前にCCSを通じて講義資料を配布します。 事後として授業での学習成果をミニッツペーパーとして提出するようにします。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『風景デザイン 感性とボランティアのまちづくり』 進士五十八、森清和、原昭夫、浦口醇二 学芸出版社 1999 『子どもまちづくり型録』 木下勇・寺田光成/編著、松本暢子・三輪律江・吉永真理/共著 鹿島出版会ロゴ 2023 『こどもがまちをつくる~「遊びの都市-ミニ・ミュンヘン」からのひろがり』 木下勇、卯月盛夫、みえけんぞう 萌文社 2010 『エイジング・イン・プレイス(地域居住)と高齢者住宅』 松岡洋子 新評論 2011 『まちづくりの仕事ガイドブック:まちの未来をつくる63の働き方』 饗庭伸、山崎亮、小泉瑛一 学芸出版社 2016 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
■定期試験(50%)
■中間テスト(20%)
■平常点(30%)
・平常点は講義で学習した内容を記述するミニッツペーパーで評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンスとひとまちづくりの視点 | |
2 | ひとまちづくりに関わる社会的環境を考える(総論) | |
3 | 子どもに関わる社会的環境を考える | |
4 | 子どもとまちづくり①:まち保育 | |
5 | 子どもとまちづくり②:子どもの遊び場、プレーパーク | |
6 | 子どもとまちづくり③:子どものまち | |
7 | 中間テスト | |
8 | 高齢者に関わる社会的環境を考える | |
9 | 高齢者とまちづくり①:エイジング・イン・プレイス | |
10 | 高齢者とまちづくり②:生活支援、居場所 | |
11 | 高齢者とまちづくり③:社会参加、地域共生施設 | |
12 | まちづくりの担い手に関わる社会的環境を考える | |
13 | まちづくりと人育て①:まちづくりの人材育成 | |
14 | まちづくりと人育て②:新しい自治、地域経営 | |
15 | まちづくりと人育て③:まちづくりを仕事にする | |
16 | 定期試験期間 | |