【講義概要】
本演習のテーマは「都市を変える水辺」です。
古において、文明や都市が発達する起点は水辺でした。水辺で人々は暮らし、文化が育まれ、産業が発達し、経済や交易が発展してきました。しかし、例えば日本においては戦後の高度経済成長を迎えたあたりから、水辺が人々の暮らしから切り離されたものになってきました。川が暗渠化して道路や緑道となり、子どもが遊ぶことも禁止され、住宅やビルを作る際も川の背にして建てることが常態化しました。
そこから半世紀が経ち、「生活の質(Quality of Life)」が問われるようになってきた現代社会において、自然と共生・調和した都市の作り方、使い方、暮らし方へのパラダイムシフトが起きています。このため「都市を変える財産としての水辺」として再定義し、活用する能力が、私達には求められています。
そこで本演習では、①名古屋学院大学の隣にある堀川周辺の現地調査および関係者ヒアリング、②「都市を変える水辺アクション実践ガイド(学芸出版社)」をテキストとして国内外の豊かな水辺の使いこなし方を学習、③学んだことを活かして堀川周辺の水辺アクションを提案、という手順で知見を深めます。
本演習は、現代社会学部ディプロマポリシーの現代社会の動きを的確につかみ、それをリサーチしてレポートをまとめることができ、現代社会やビジネス世界で求められるプレゼンテーション能力とコミュニケーション能力を身につけることをめざします。また、現代社会を生き抜き、その課題や困難に立ち向かうことのできる課題発見・問題解決型能力を修得できることを目的とします。
【学習到達目標】
・現代社会の諸問題に対して社会科学的にアプローチする方法を身につける。
・「水辺アクション」に関する基礎的な理論の理解の他、その調査方法を使いこなすことができる。
・フィールドワークを通じて調査対象区域の「水辺アクション」を調査分析し、課題解決する方法を立案できる。
【履修上の注意】
・履修者の選考を行います。4/8に実施するガイダンスに出席することが必須です。
・遅刻や欠席は原則として認めません。また、毎回の演習内で、すべての受講生に積極的な発言をもとめます。
・演習の時間は各自の報告や議論に充てるため、その他の準備(文献の要約等)は授業時間外にもおこなっていただきます。また、授業時間外の時間帯、もしくは授業のある曜日以外の曜日を利用して、個別に、もしくはグループごとに学外でフィールドワークを実施します。
・最終報告書(最終レポート)は、一グループ当たり3000字以上の執筆をめざす。
【事前準備学習】
日々の生活のなかで常にアンテナを張り巡らせて、諸都市で展開する「水辺アクション」の動向をチェックしておくこと。特に、新聞やテレビ、雑誌などのマスメディアで流れる「水辺アクション」関連の最新ニュースに接していくこと。必要に応じて、新聞の切り抜きなどを持参して演習に持ち寄り、履修者間でそれらの情報を共有することがのぞましい(60分)。 また、文献講読後は、テキストで出てきた諸概念や諸理論を日常生活のなかで応用してみること。演習で学んだ概念や理論は、自在に使いこなせるようになるまで訓練すること(90分)。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『都市を変える水辺アクション実践ガイド』 泉英明ほか編著 学芸出版社 2019 受講が確定した後、教科書は購入するようにしてください。 |
参考書 | 『RePUBLIC 公共空間のリノベーション』 馬場正尊+Open A 学芸出版社 2013 『原っぱと遊園地』 青木淳 王国社 2004 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
■定期試験(60%):最終的にとりまとめた提案書をもって評価します。
■平常点(40%):各回に課された課題や宿題の内容をもって評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス:自己紹介ゲーム、「私と水辺」トーク | |
2 | フィールドワーク:お気に入りの場所を探そう | |
3 | 日常利用の調査方法を計画する | |
4 | (調査の実施) | |
5 | 日常利用の調査結果を共有する | |
6 | 現地コーディネーターのお話を聞く | |
7 | ABDの説明と練習 | |
8 | ABD①(テキストを活用した対話) | |
9 | ABD② | |
10 | ABD③ | |
11 | 水辺アクションのアイディア出し | |
12 | 提案の骨子検討 | |
13 | 提案のブラッシュアップ(ミニアクションや現地調査) | |
14 | 提案書の作成 | |
15 | 提案のプレゼンテーション | |
16 | 定期試験期間 | |