【講義概要】
本講義では、商法のうち総則と商行為について学習しながら、商法とは何かを理解し、基礎的な知識を習得することを目標とします。商法は、実は私たちの生活にたいへん身近な法領域です。スーパーで買い物をするとき、電車やタクシーに乗るとき、宅配業者に荷物の配達を頼むときなど、商法が関係しています。また商法は、日常生活における個人と企業との取引、企業間の取引など商取引用のルールを定めながら、ときには民法の規定を修正・補完し、さらに民法にはみられない特別な制度を定めています。なぜ民法(一般原則)では足りないのか、どのような場合に商法が適用されるのかを考えてもらい、商法の基本的な考え方を身につけることを目指します。
なお、本講義は、法学部カリキュラム上の「商事法科目」に該当し、ディプロマ・ポリシーに掲げられている基礎的知識の修得を目指します。
【学習到達目標】
・民法と商法との関係・距離感をつかみ、特別法としての商法を理解すること。
・商法の基本的な考え方を身につけるとともに、商取引に関する商法の規定の正確な理解を得ること。
・「会社法」、「現代法特論」を学習するための基礎を固めること。
【履修上の注意】
・講義テーマの前半では、商法総則・商行為法の学習における最も基本的な内容及び概念について説明します。
これを基礎に、中間以降のテーマについて学習しますので、毎回の出席に心がけてください。
・毎回の講義では、教科書のほか、紙媒体の六法を使いますので必ず持参してください。
・商法商行為編の「運送営業」及び「倉庫営業」に関しては、『現代法特論』という科目で勉強します。この科目では運送営業に関する2018年商法改正(120年ぶりの改正)についても解説しますので、併せて履修することで、商法総則・商行為法の理解を深めることができます。
【事前準備学習】
・事前学習:講義テーマやレジュメ内容に関するテキストの当該箇所を一読すること。
・事後学習:講義で扱った内容を中心に復習すること。また補足資料の配布がある場合は、補足内容についても復習すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『スタンダード商法Ⅰ 商法総則・商行為法(第2版)』 北村雅史編 法律文化社 2022 ・授業では、レジュメも配布します。必要に応じて、関連資料や判例を配布します。 |
参考書 | 『商法判例百選』 神作裕之・藤田友敬編 有斐閣 2019 『商取引法(第9版)』 江頭憲治郎 弘文堂 2022 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・平常点20%、小テスト20%、定期試験60%
評価方法の詳細については、第1回目の授業で説明します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス:商法とは何か | |
2 | 商法の意義、商法の地位 | |
3 | 商法の法源、商法の適用範囲 | |
4 | 商人概念 | |
5 | 商行為概念 | |
6 | 商人資格の得喪 | |
7 | 商号 | |
8 | 商号権 | |
9 | 名板貸 | |
10 | 商業使用人 | |
11 | 商行為法通則①:営利性に関する規定 | |
12 | 商行為法通則②:簡易迅速性に関する規定 | |
13 | 商行為法通則③:取引の安全保護に関する規定 | |
14 | 商事売買 | |
15 | 場屋営業 | |
16 | 定期試験期間 | |