【講義概要】
リハビリテーション学部のディプロマ・ポリシー【専門知識・技能】のうち「専門職として必要とされる観る力、聴く力、伝える力を身につける」、「基礎医学領域の知識を身につける」、「理学療法専門領域の知識と技術を身につける。」ことを目的とする。カリキュラムポリシーとしてリハビリテーションに関わる科学的知識および根拠にもとづいた技術を修得し、医療、健康と福祉に貢献できる人材を養成することを教育の目標としている。病気の原因と発生のメカニズム、病気の種類と形態学的特徴などについての知識を身につけることにより理学療法士の資格を得るために必要不可欠な人体構造の基本的知識を修得することができる。
病理学は「正常な状態からどのように病気が発生するのか」を学ぶ学問である。これまで学んできた生理学、解剖学、生化学、組織学を基本とした人体の正常構造と機能を理解していないと、異常(病気)との違いが理解できない。また、本講義の総論において学んだことを各論へとつなげていくためにも1年次に学んだことをしっかりと復習しておく必要がある。
【学習到達目標】
細胞損傷と組織損傷について説明できる。
壊死とアポトーシスについて説明できる。
傷害組織の修復過程ならびに再生過程について説明できる。
炎症の定義・意義について説明できる。
炎症反応のメカニズムについて説明できる。
感染症の分類について説明できる。
糖代謝異常の病因・病態について説明できる。
タンパク質・アミノ酸代謝異常の病因・病態について説明できる。
脂質代謝異常の病因・病態について説明できる。
無機質代謝異常の病因・病態を説明できる。
腫瘍の病因について説明できる。
【履修上の注意】
病理学においても講義中に提示されるものには人体に由来したものもあり、故人の生前の意志に基づいて提供された標本も含まれている。したがって、学生は見知らぬ多くの方々の崇高な遺志によって解剖学という学問が成り立っていることを忘れてはならない。故人の尊厳を守り、感謝と畏怖の念をもち、礼節を欠く事無く学習に取り組んでもらいたい。
そのため以下の禁止行為を示す。講義中のスマートフォンなどの情報端末の使用禁止。人体および人体標本・組織標本(講義スライド中の画像を含む)、模型などの撮影・録画・録音行為の禁止。さらにそれらの画像のみならず情報などをブログやSNSなどに投稿しインターネット上に流布する行為の禁止。
【事前準備学習】
病理学を学ぶには解剖学、組織学、生理学、生化学の知識があること前提となっている。そのためそれらを復習した上で次回の授業範囲の予習(約1時間)をし、専門用語の意味などを理解しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『カラーで学べる病理学(第5版)』 渡辺照男 ヌーヴェルヒロカワ 2019 |
参考書 | 『Dr.レイの病理学講義(第3版)』 髙橋 玲 金芳堂 2022 『ロビンス基礎病理学 (原書10版)』 豊國 伸哉, 高橋 雅英 (監修,翻訳) 丸善出版 2018 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
定期試験 80%、授業態度・課題など20%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 病理学とは/細胞・組織とその障害、再生と修復 | |
2 | 循環障害 | |
3 | 炎症、免疫とアレルギー | |
4 | 腫瘍 | |
5 | 感染症、代謝異常、老化と老年病 | |
6 | 新生児の病理、先天異常、遺伝子疾患 | |
7 | まとめ | |
8 | 試験 | |