【講義概要】
生理学は、人体諸器官の正常な機能(働き)を理解する科目である。生理学Aでは、基本的な細胞の構造と機能を学習した後、主に神経系を介する生体の情報処理について学習する。まず神経や筋を構成する興奮性細胞の刺激受容や興奮、神経を通した情報伝達と中枢での情報処理、筋細胞の収縮機序などを学び、次いで、本科目が理学療法士を志す学生を対象とすることに鑑み、神経・筋・感覚等の動物性機能の総合としての反射機能や運動の調節に重点をおいて学習する。
本講義は、学部のディプロマ・ポリシーのうち、「専門職として必要とされる観る力、聴く力、伝える力を身につける」、「基礎医学領域の知識を身につける」、「理学療法専門領域の知識と技術を身につける」ことを主な目的としており、理学療法士の資格を得るために必要な知識、技術、能力の獲得をめざす。応用として、問題解決能力・科学的探究心のうち、「情報を収集、理解できる」、「客観的判断に基づき原因を考える」力を養うことを目的とする。さらに、カリキュラム・ポリシー中の、「医療、健康と福祉に貢献できる人材」を目標とし、生理学で身につけた知識を統合し、多職種連携で求められる理学療法評価および客観的・論理的判断に基づく原因と解決策の提案のための基盤となるよう講義を進める。
【学習到達目標】
①ヒトの器官における各器官の特徴と正常な機能が説明できる。
②ヒトの正常な機能を理解し、疾病の原因、臨床症状や薬の作用点について理解できる。
③学修ポイントを理解し、授業後、質問や問題提起することができる。
【履修上の注意】
生理学では、正常な人体の機能について学ぶ。正常な機能が理解できていれば、疾患や治療、投与されている薬物について容易に理解できるようになる。したがって、各自で予習復習を行い、知識の定着と統合に努めてほしい。
【事前準備学習】
(予習)シラバス中に提示されている授業内容に対応した教科書の該当箇所を読み、理解しておく。1~2時間程度
(復習)授業のノートを作成し、各自で調べたことを追加することにより理解を深める。約1~2時間程度
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『標準理学療法学・作業療法学 生理学』 岡田隆夫、鈴木敦子、長岡正範 医学書院 2020 |
参考書 | 『トートラ 人体解剖生理学 原書11版』 佐伯由香、細谷安彦、高橋研一ら 翻訳 丸善出版 2020 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・中間テストと期末テストで評価する。
・すべての評価方法の合計点数が6割に達しなかった場合、再試験を実施する。中間テストは授業中に実施し、フィードバックは授業の中で行う。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 生体の階層性と生体情報処理 | |
2 | 神経の基本的機能 | |
3 | 情報の伝達 | |
4 | シナプス伝達 | |
5 | 感覚の特性と視覚 | |
6 | 内耳の感覚 | |
7 | 化学感覚、体性感覚 | |
8 | 中枢神経系の構造と機能 | |
9 | 中枢神経系の高次機能 | |
10 | 骨格筋の基本的機能 | |
11 | 骨格筋の収縮特性 | |
12 | 骨格筋のファイバータイプ | |
13 | 心筋・平滑筋の基本的機能 | |
14 | 脊髄の機能と筋感覚 | |
15 | 運動の調節 | |
16 | 定期試験期間 | |