【講義概要】
近年のグローバル化に伴い、将来の進路に関わらず国際的な視野を持つことが必要とされている。そのためにはさまざまな学習や経験が必要であるが、その中でも、自分自身が所属する社会の母語について客観的な視点から知ることは、さまざまな外国語や異文化を学ぶ際にもつながる重要な学習の1つである。そこで、「日本語教育(日本語非母語話者に対して日本語を教える)という観点から日本語を理解すること」、そして、「日本語を外国語として理解する観点を養うこと」を目的とし、日本語学に関する基礎的な知識を学ぶ。具体的に、日本語学概論1(本講義)では主に日本語の音声・文字表記・語彙などについて学ぶ。また、つづく日本語学概論2では日本語の文法・バリエーションなどを学ぶ。なお、本講義は、国際文化学部国際文化学科ディプロマ・ポリシーの、「思考力・判断力・表現力」における「持続的社会形成のための思考力・判断力・行動力を身につけている」、「多文化共生社会における豊かな許容性を理解し、協働の精神をもってその実現へ向けての考えを整理し、他者に対して説明することができる」、および「主体性・多様性・協働性」における「国際社会の一員として、十分な国際理解のもとに、国際協力・支援活動に参画することができる」を目的とする。また、カリキュラム・ポリシーの「教育方法」における「それぞれの授業においてあらかじめ示された教育目標を達成させるとともに、個々の学生の学習進度に即して適切な課題や練習問題を与えることで、自学的学習を支援し、レポート課題や学習成果の評価を客観的かつ適切に実施する」、および「講義科目においては、小テストや面接を通して受講生の学習状況や理解度の把握に努める」に留意し、複数回の小テストの実施および講義内容についての複数人でのリフレクション(振り返り)を取り入れる。
【学習到達目標】
(1) 日本語の基礎的な語学知識(音声・音韻、文字・表記、語彙、文法など)を習得する。
(2) 日本語を客観的かつ分析的に捉える視点を身につける。
(3) 日本語の特徴について、他者にわかりやすく説明できるようになる。
【履修上の注意】
・学生の積極的な参加を求めます。具体的には、自分の意見を話し合う機会を設けます。日本語についての議論を、実例をもとにして行い、理解を深めて下さい。
・出席回数が全体の3分の2未満の学生は不合格となります。何らかの事情がある場合は事前に相談して下さい。
・非対面授業になる場合は、TV会議アプリTeams等を使用し実施します。
・日本語学概論(2)の講義で、教科書(下記参照)の後半部分を扱う予定です。
【事前準備学習】
・事前学習:教科書の該当範囲(下記のスケジュール参照)を読んでくることが望ましいです。
・事後学習:教科書や参考教材を読み、理解を深めてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『超基礎 日本語教育のための日本語学』 太田陽子 くろしお出版 2021 |
参考書 | 『超基礎 日本語教育』 森篤嗣 くろしお出版 2019 『日本語を教えるための教授法入門』 深澤のぞみ・本田弘之 くろしお出版 2021 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・授業態度…20%
・リフレクションシート…20%(5%×4)
・小テスト…60%(15%×4)
「リフレクションシート」と「小テスト」については、【スケジュール】も参照。詳細は授業内で説明します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション | |
2 | 外国語としての日本語 | |
3 | 日本語学習者から見た日本語 | |
4 | 日本語学習者とのコミュニケーション | |
5 | 小テスト① / リフレクションシートの話し合い | |
6 | 日本語の音声(1)母音・子音 | |
7 | 日本語の音声(2)拍・音声・イントネーション | |
8 | 小テスト② / リフレクションシートの話し合い | |
9 | 日本語の文字表記(1)文字の種類 | |
10 | 日本語の文字表記(2)漢字 | |
11 | 小テスト③ / リフレクションシートの話し合い | |
12 | 日本語の語彙(1)語構成 | |
13 | 日本語の語彙(2)語種 | |
14 | 日本語の語彙(3)類義語・多義語 | |
15 | 小テスト④リフレクションシートの話し合い | |
16 | 定期試験期間 | |