【講義概要】
クリニカルリーズニングは「臨床推論」と訳されます。これは、理学療法士が対象者の訴えや症状から病態を推測し、仮説を検証しながら対象者に最も適した介入を決定していく一連の心理的過程を指します。この講義では、理学療法士がどのような方法で対象者に最適な治療法を決定するのか、その過程を学びます。
この講義は、学部のディプロマ・ポリシーの以下の能力取得を目的としています。
【専門知識・技術】「理学療法専門領域の知識と技術を身につける」
【問題解決能力・科学的探究心】「最新の情報を収集、理解できる能力を身につける」「情報を整理して把握し、客観的な判断に基づき原因を考えることができる」「論理的思考に基づき解決策を立案することができる」「科学的根拠の構築の必要性を理解し、探究心を持って理学療法の検証ができる」
【理学療法を学ぶ学生としての態度】「協働意思決定の重要性を理解し、対象者本位の理学療法が提案できる」
【豊かな人間性】「価値観の多様性を理解する」
【学習到達目標】
(1) 医療チームと対象者が、治療の意義、目的、到達目標、介入法を、臨床データ、対象者と家族の選択、科学的根拠、専門的判断に基づいて構築する過程を説明できる。
(2) クリニカルリーズニングの基盤となる根拠に基づく医療(EBM: Evidence-based medicine)の実践において必要な情報の収集・活用法を説明できる。
【履修上の注意】
講義を理解するために理学療法学の高度な専門的知識が必要というわけではありません。実臨床で要求される論理的な思考過程を育成することを目的として履修して下さい。
原則対面(面接)授業として実施します(状況により遠隔授業等を併用する場合があります)。
【事前準備学習】
講義中に理解してしっかり復習をしてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書は指定しません。適宜資料を配付します。 |
参考書 | 『理学療法エビデンス大事典 現場で使える実践ガイド』 ダイアン・V・ジュエル(著)/森山英樹(総監訳) 西村書店 『PT・OT・STのための診療ガイドライン活用法』 中山健夫(監修)/日髙正巳・藤本修平(編) 医歯薬出版株式会社 『PT/OT/STのための臨床に活かすエビデンスと意思決定の考えかた』 藤本修平/竹林崇(編) 医学書院 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
課題レポート、筆記試験、平常点などを総合して評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | クリニカルリーズニング概論 | |
2 | ナラティブアプローチと目標設定 | |
3 | Evidence-based medicine | |
4 | 臨床疑問(CQ: Clinical question)の定式化 | |
5 | 科学的根拠の情報収集 | |
6 | 科学的根拠に対する批判的吟味 | |
7 | 臨床適用とヘルスコミュニケーション | |
8 | 効果検証とアウトカム評価の設定 | |