【講義概要】
運動実践により健康寿命の延伸が期待されるだけでなく、生活の質(生き甲斐)を高めるためにも有用である。ところが、運動方法は、実践する人の年齢、住環境、運動歴、運動に対する意欲、好み、病歴等によって異なる。特に高齢期においてはその影響が色濃いため、それぞれの人に対応した運動プログラムや運動指導が求められている。
そこで、本講義では高齢者が安全で効率よく運動するために必要な要素を、特徴別に理解させる。さらに高齢者に運動指導をすることを念頭に置き、運動プログラムの作成および指導をするために求められる基礎的な知識(高齢期の生理学、コミュニケーションの取り方、運動継続方法、運動意欲の維持など)の理解させる。
この授業は、本学のディプロマ・ポリシーのうち以下の能力を養うことを主な目的としています。
【知識・技能】
・健康や体力の維持向上に対する運動の効果について理解し、その機序を説明することができる。
・主要な運動種目の指導法の基本を実践することができる。
【思考力・判断力・表現力】
・社会におけるスポーツや健康に関する課題の実態を把握し、その関連要因、解決方法あるいは改善策を提示することができる。
【主体性・多様性・協働性】
・スポーツや健康に関する情報を積極的かつ広範に求める態度を身につけている。
【学習到達目標】
1.高齢者の身体的、精神的、社会的特徴を理解し、運動指導時に活用できるようになる
2.運動・スポーツを通して超高齢社会を支援できるようになる
3.疾患の特徴を理解し、その特徴に応じた指導ができるようになる
4.高齢者の運動継続について、その方法と意義を説明できるようになる
【履修上の注意】
・授業への出席は大前提である。
・授業開始時刻に出席カードを配布するので、その時までに着席しておくこと。
・講義では板書を多用するので、ノートを準備して望むこと。
・授業中の携帯電話・スマートフォン等の通信機能を有する電子機器の使用は、指示した場合を除いて厳禁とする。
【事前準備学習】
・前回の授業内容を確認しておくこと
・高齢者のスポーツイベントや健康問題に関するニュースを、新聞、テレビ、ネットなどにより理解しておくこと
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 必要に応じて資料を配布する。 |
参考書 | 『エクササイズ科学-健康体力つくりと疾病・介護予防のための基礎と実践』 田中喜代次・田畑泉 株式会社文光堂 2012 『中高年者の元気長寿のための運動プログラム第2版』 田中喜代次・重松良祐・中垣内正樹編著 有限会社ナップ 2010 『中高年者の疾病予防・改善のための運動プログラム第2版』 田中喜代次・牧田茂編著 有限会社ナップ 2010 『中高齢者エクササイズ実践指導ブック』 辻 秀一、川久保清、田中喜代次 編著 文光堂 2000 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・全授業数の80%以上出席した者を評価対象とする
(ここで言う出席とは、授業開始時に出席カードを回収できたことを指す。遅れて授業に参加した場合や授業を休んだ場合はこれにあたらない)
・電車の遅延、教育実習や就職活動、コロナやインフルエンザで欠席した場合は、そのことを考慮して成績を付けることがある。その事象が発生した翌週あるいはできるだけ早い時期に必ず証明書を添えて欠席届を提出すること
・第1回目の授業も評価対象になるので、欠席しないこと
・授業内の小テスト・MinutePaper(40%)、定期試験(60%)により総合的に評価する
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス、高齢者とは | |
2 | 運動・スポーツ活動の意義 | |
3 | 加齢に伴う心身の変化 | |
4 | 運動基準・運動指針 | |
5 | 高齢者のための運動原則 | |
6 | 運動継続のための目標設定 | |
7 | 運動プログラムの作成、運動実施時の注意 | |
8 | 運動前の体調チェックと全身持久力評価 | |
9 | 高齢者のための運動方法(陸上運動・有酸素運動) | |
10 | 高齢者のための運動方法(陸上運動・筋力トレーニング) | |
11 | 高齢者のための運動方法(水中運動) | |
12 | 疾患別にみた運動プログラム(高血圧、骨粗鬆症) | |
13 | 疾患別にみた運動プログラム(肥満、糖尿病) | |
14 | 疾患別にみた運動プログラム(介護予防、視覚・聴覚機能の低下) | |
15 | 高齢者に対する運動指導の注意点 | |
16 | 定期試験期間 | |