名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限臨床薬学春後名古屋 13鈴木 匡RL3101

【授業情報】

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講義概要

 カリキュラムポリシーに示された「医療、健康と福祉に貢献できる人材を養成する教育」の一環として、本講義では、医療、介護現場で対応する「薬(医薬品)」に関する基礎知識を習得することで、臨床にあたって適正で安全な薬物治療を支援する基礎を身に付ける。また、ディプロマポリシーに示された「最新の情報の収集・分析」を行い「自ら課題を解決する方策」の基礎を身に付けて、「自分の考えを的確に伝える」ことで「「主体的な他の医療職種との連携」を推進する重要性を理解することを目標とする。
 講義前半で、医薬品を投与した際に薬物が体内でどのように移行し効果や副作用を発現するかの基本的なメカニズムを学び、具体的に医薬品の体内での動態をイメージできることで、その医薬品で定められている使用方法を遵守することの重要性を理解する。また、患者に観察される不快な症状などが医薬品による副作用ではないかと推察する基礎を身に付ける。さらに、医薬品を複数併用した際の相互作用、医薬品と飲食物・健康食品などとの相互作用の基礎知識と具体的事例を学ぶことで、薬物療法の注意点を把握するとともに、ポリファーマシーの課題についても考察する。
 講義後半では、具体的に臨床現場で対応が想定される代表的な医薬品を臓器・疾患別に学習していく。
1)神経系作用薬(自律神経作用薬、鎮痛薬、神経症治療薬、パーキンソン病治療薬など)の種類とその作用機序、
使用上の留意点
2)循環器系疾患(高血圧、心不全、狭心症、不整脈など)治療薬の種類とその作用機序、使用上の留意点
3)呼吸器系疾患(喘息、COPDなど)治療薬の種類と作用機序、使用上の留意点
4)代謝系疾患(糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症など)治療薬の種類と作用機序、使用上の留意点
 最後に、他の医療職種と連携して薬物療法を支援するための課題や具体的な対応について事例をあげて説明し、患者・利用者本位で他の医療職・専門職と連携・協働することの重要性を理解する。



【学習到達目標】

・薬物が体内でどのように移行し効果を発現し代謝されるのか概要を説明できる。
・医薬品の剤型による体内での吸収・分布・代謝・排泄の特徴と違いを説明できる。
・薬物間の相互作用、飲食物・健康食品との相互作用について説明できる。
・薬物治療に影響を与える人体側の因子(年齢、妊娠・授乳など)を列挙し、基本的な留意点を説明できる。
・神経系作用薬・循環器系疾患治療薬・呼吸器系疾患治療薬・代謝系疾患治療薬の種類とその作用機序、重要な使用上の留意点について説明できる。
・薬物治療で発現する有害事象の発見とその基本的対応について列挙できる。
・薬物療法における多職種連携・協働の重要性を考察できる。



履修上の注意

多くの専門用語や医薬品の成分名などが出てくるので教科書を良く予習・復習すること。
理解できないところはそのままにせず、自分で調べ、不明な点は授業時に積極的に質問すること。
各授業の前には前回の授業内容の確認テストあるいは口頭試問などを行う予定。



【事前準備学習】

神経系、循環器、呼吸器などの人体臓器の基本的なしくみや働きを予習しておくこと。
自分が使用している医薬品、家族が使用している医薬品などを良く観察し、その作用や注意点を予め調べておくなど、一般用医薬品や医療用医薬品について日頃から興味をもって授業に臨むこと。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『わかりやすい薬理学』 安原一、小口勝司 編 ヌーヴェルヒロカワ 2020
臨床で使用される主な医薬品の作用機序と注意点がまとめてあるので、授業で講義できなかった疾患治療薬についても医療職として働くための重要な基礎知識として必ず学習すること。
参考書『イラストで理解するケアマネのための薬図鑑』 利根川恵子 他 中央法規 2021
最新の医療用医薬品、特に高齢者や介護で対応する医薬品の作用や副作用、使用上の留意点をイラストなどでわかりやすく解説している。教科書で分かりにくい箇所の理解に役立つ。介護やリハビリに関連する医療用医薬品を一通り学習できる書籍。
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

平常点(授業で実施する前回授業の振り返りテスト、口頭試問など) 20%、期末試験 80%



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
11: 薬物体内動態の基本知識
22: 薬物の副作用、相互作用、影響因子
33: 神経系作用薬の種類と作用機序、使用上の留意点
44: 循環器系疾患治療薬の種類と作用機序、使用上の留意点
55: 呼吸器系疾患治療薬の種類と作用機序、使用上の留意点
66: 代謝系疾患治療薬の種類と作用機序、使用上の留意点
77: 薬物療法での多職種連携・協働
88: まとめ