名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限民法総則2秋A名古屋 21大久保 紀彦LG1103

【授業情報】

表示する



講義概要

後期は、民法総則の「発展・応用編」として、判例学修を行い、発展的知識と応用的分析力・判断力を身に着けるべく講義を進めます。複雑な実際の民事事件を読み解くため、関係者図・時系列の整理を行って、まとめ説明する力をつけてもらいます。
そのうえで、原告・被告の双方がどのような主張をしているのか、それぞれの主張根拠とする条文・解釈をありらかにします。結論を明示し、その根拠となるルールの制度趣旨も説明できる力をつけてもらえるよう、講義を行ないます。
前期では深く検討はしていなかった条文、総則と関連する債権・物権分野の基礎についても、二年生以降の科目への具体的なつながりを意識しつつ、講義を進めます。



【学習到達目標】

毎回の講義テーマで示す民法総則における制度について、三者間関係を含め、条文をベースとした発展的知識が定着している(法的知識の獲得)。応用的なケースについて、どのような点が争点となり、どの制度・条文が適用されるかを考察して、指摘できるようになる(多面的な調査・分析能力)。それらのことを、自分のことばでより長い記述および一定時間で口頭説明できるようになる(コミュニケーション能力)。




履修上の注意

名古屋学院大学が定める「受講マナー」を守るように。なお、着席場所は、指示に従ってください。
殆どの履修生は問題なく受講しており、感謝しています。一部履修生のため他履修生への迷惑が発生していることもあり、とくに、以下の点には、ご注意ください。
★交通遅延等以外の遅刻・無断退室、禁止端末使用等が繰り返される場合には、欠席同等に扱います。
★出席記録は、講義前10分、講義後10分のいずれもの学生証記録が必須(学生証忘れの場合の処理は行いませんので毎日の所持を徹底するようにしてください)。なお、出席記録があるにもかかわらず、授業内での出席確認ができない場合には、失格となることがありますので注意をしてください。
★公欠扱いは行いません。ただし、事前連絡による欠席回のミニッツペーパー加点は内容に応じて行います。



【事前準備学習】

事前学習として、講義テーマにしたがった教科書予習。事後学習として、授業の要点を教科書で確認して適宜問題演習に取組んで復習を行なう。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『民法1総則 判例30!』 原田 昌和他 有斐閣 2017
『司法試験から学ぶ民法総則』 大久保紀彦 三恵社 2022
『民法の全条文:体系から学ぶ条文集』 大久保紀彦 三恵社 2024
教科書は、第一回から予習・復習・授業内テスト持込みに使います。必ず用意して授業に臨んでください。
参考書-参考書は、登録されていません。-
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

授業前後課題(ミニッツペーパー) 50点 
テスト・レポート 50点
※受講姿勢などにより±10点の範囲で増減し、総合評価を行います。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1通則:権利濫用禁止:「判例1:宇奈月温泉事件:物権的請求権と権利濫用」 「信玄公旗掛松事件:権利濫用と不法行為」
2信義則「大豆粕深川渡事件」 人:「判例2:胎児の権利能力:阪神電鉄事件」「判例3:制限行為能力者の詐術」
3法人:「判例4:南九州税理士会:法人の目的」「判例5:代表理事の代表権制限」「判例6:権利能力なき社団(財産分離:総有)」
4公序良俗違反:「判例7:愛人への遺贈」「判例8:暴利行為(ホステスの保証)」「判例9:男女平等」
5法律行為:「判例10:法令違反(無許可営業の売買)」「ヨットクラブ(組合脱退自由・強行規定)」「判例11:塩釜レール入(533条と慣習)」
6意思表示:「判例12:錯誤」「無効・取消しの第三者への対抗(不動産転売) 取消し後の第三者(復帰的物権変動・177条処理)
7不動産登記の公信力「判例13:94条2項類推適用」「判例14:94条2項と110条の類推適用」 動産取引(即時取得):強迫取消しの対抗力
8代理:「判例15:取消しと現に利益を受ける限度」「判例16:実質的な利益相反」「判例17:親権者による代理権の濫用」
9表見代理:「判例18:東京地裁厚生部」「判例19:白紙委任状と109条」「判例20:110条の基本権限」「判例21:110条の正当理由」
10「判例22:日常家事代理権」 無権代理:「判例23:責任」「判例24 無権代理人の本人共同相続」「判例25:本人の無権代理人相続」
11時効:「判例26:自己物の時効取得」「判例27:じん肺損害賠償請求権の消滅時効」
12時効:「判例28:時効援用の効果」「判例29:時効の援用権者」
13「判例30:消滅時効完成後の債務承認」:判例30!の振り返り「冬休み課題」
14民法総則を中核とする民法全体の構造(総則条文と物権・債権・親族・相続の各条文とのつながり)
15民法総則総まとめ
16定期試験期間