【講義概要】
この講義は,経済学部3年生以上を対象とした専門科目となる。1~2年生時の経済学部学科基幹科目及び2年生を対象とした外国経済論Ⅰを基礎として,世界経済論を学ぶ。
欧米経済に加えてロシアを中心とする旧東側諸国の経済について,日本を含むアジア諸国との関連を政治経済的側面から解説する。
アメリカ及びEU経済規模は,世界経済の40%を占めており,日本経済とのつながりも大きい。それゆえに,アメリカを中心とする現在の貿易関係(対米貿易摩擦)の理解は欠かせない。また,グローバル経済化の下で,EUのような地域経済統合も深化している。
さらに本講義においては,欧米経済にくわえて,ロシアを中心とする旧東側諸国の経済にも触れ,世界における多様な経済システムについての理解を深めることも目標にする。なぜならば,旧ソ連経済は中国をはじめアジア諸国に大きな影響を及ぼしており,その歴史的な背景や関係性を理解することは,現在のグローバル経済体制を理解することに繫がるからである。
特に,本講義では欧米経済を中心に旧ソ連・ロシア経済を紹介しつつ,日本をはじめとするアジア諸国との経済的関係性にも触れるため,「外国経済論Ⅰ」の履修も勧める。本講義と併せて履修することで,相互に理解が容易になる内容となっている。
講義では各国経済に関わる時事ニュースを適宜取り上げ,受講生が諸外国の経済を身近に感じ,関心が持てるように工夫をする。また,適宜映像資料などの視覚的な学習ツールを用いて,理解度の向上と知識の定着をはかる。
機会があれば,海外で事業を展開している企業,個人の方をゲストスピーカーとしてお迎えし,直接お話を伺うなど設定したい。その際には,受講生全員の参加とレポート提出を課す。
なお講義中に参照する映像やゲストスピーカーをお招きする際,使用言語が英語のみの場合もあるので,高校卒業程度の英語力は身につけておくことが求められる。
【学習到達目標】
DP(ディプロマポリシー)に基づいて以下を到達目標に定める。
【知識・技能】
①経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる。
②経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる。
【思考力・判断力・表現力】
④社会を理解するための論理的思考力を身につけ,因果関係の把握や費用便益の比較考量ができる。
⑤政治・法律分野とのつながりを理解し,経済社会を多面的に捉えることができる。
【主体性・多様性・協働性】
⑨より良き経済人として,経済社会のルールを厳守する倫理感を持つことができる。
【履修上の注意】
原則大学の指示に従い,対面での講義となる。
非対面(オンライン)の場合は,「CCSを活用した基本型授業とTV会議システム(Teams等)を併用して実施します。」Teams:【月2 新美】外国経済論2 Teamsの招待コード:25tl70i
本講義は講義形式で行う。ただし履修者数によっては,グループ・ディスカッションやアクティブラーニングの手法を用いることがあるので,受講生には積極的な授業への参加が求められる。なお,適宜受講生の関心や理解度に合わせて,講義の内容を変更することもある。
・オフィスアワー(講義内容等に関する相談機会)
火曜日4限曙館748研究室あるいはTeams「Office-hours(Niimi)」(招待コード:ktasevy)
但し、事前にアポイントメントを取られた学生を優先する。また,当該時間以外でも調整することも可能ですので,事前連絡すること。
【事前準備学習】
講義概要でも触れた通り,本講義では基礎的な経済学史,経済史や国際経済学,開発経済学,国際関係論などの分野の知識が必要になる。そのため,2年生を対象とした外国経済論Ⅰを履修あるいは同時に履修することを推奨する。これらの科目を履修していない学生は,とくに予習・復習は欠かせない。
また講義内容を深めるために,外国経済に関する新聞記事などを読んでレポート作成課題(ホームワーク)を出す場合がある。常日頃から,世界経済に関する新聞記事などに目を通すことを推奨する。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特に教科書は定めないが,適宜授業中に参考図書等を紹介する。特に,本講義では各国経済を紹介するので,講義で触れる各国・地域に関する図書等を紹介する。 |
参考書 | 『世界経済論』 山本和人・鳥谷一生 ミネルヴァ書房 2020 『ヨーロッパ経済の基礎知識』 川野祐司 文眞堂 2021 『体制転換の政治経済社会学』 盛田常夫 日本評論社 2020 『カルブレイズ-アメリカ資本主義との格闘』 伊東光晴 岩波新書 2016 『現代ロシア経済論』 吉井昌彦・溝端佐登史 ミネルヴァ書房 2011 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・試験(中間あるいは中間レポート) :20%
・試験(期末あるいは期末レポート) :30%
・宿題など(期間中の小テスト):10×4回=40%
・授業時の態度・積極性など:10%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション(外国経済論に関する学習方法・評価の観点等について説明する)及び各国経済システム比較概説 | |
2 | 経済システム比較(歴史的展開) | |
3 | 日・米・中経済関係 | |
4 | 体制選択と移行経済 | |
5 | ソビエト連邦 | |
6 | ソビエト連邦(アジア諸国) | |
7 | 冷戦下の世界経済 | |
8 | ドイツ統一 | |
9 | EU経済 | |
10 | EU経済(地域経済統合) | |
11 | 米国経済(政治経済システム) | |
12 | 米国経済(日米経済と新自由主義) | |
13 | 日本企業の海外進出(欧米市場) | |
14 | 日本企業の海外展開動向 | |
15 | 全体講義のまとめ | |
16 | 定期試験期間 | |