【講義概要】
この講義は,経済学部2年生以上を対象に開講されることから,他の経済学の基本を学びながら同時に多様な経済システムについての基礎的な知識を習得することを目指す。
そのため,前半では経済学及び各国の経済体制の歴史的展開や背景,資本主義とはなにかについて広く検討する。基礎的な経済学に加えて,経済史や国際経済学,開発経済学,国際関係論などと重なる部分も多くある。
さらに,後半では移行経済を念頭にアジア地域の経済システムを中心に講義を進める。近年この地域への日本企業の進出は急であり,各国地域の経済システム・経済事情を知っておくことはきわめて重要である。
そこで,本講義では各国経済に関わるニュースを適宜取り上げ,受講生が諸外国の経済を身近に感じ,関心が持てるように工夫をする。また,映像資料などの視覚的な学習ツールを用いて,理解度の向上と知識の定着をはかる。
また機会があれば,海外で事業を展開している企業,個人の方をゲストスピーカーとしてお迎えし,直接お話を伺うなど設定したい。その際には,受講生全員の参加とレポート提出を課す。
なお講義中に参照する映像やゲストスピーカーをお招きする際,使用言語が英語のみの場合もあるので,高校卒業程度の英語力は身につけておくことが求められる。
【学習到達目標】
DP(ディプロマポリシー)に基づいて以下を到達目標に定める。
【知識・技能】
①経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる。
②経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる。
【思考力・判断力・表現力】
④社会を理解するための論理的思考力を身につけ,因果関係の把握や費用便益の比較考量ができる。
⑤政治・法律分野とのつながりを理解し,経済社会を多面的に捉えることができる。
【主体性・多様性・協働性】
⑨より良き経済人として,経済社会のルールを厳守する倫理感を持つことができる。
【履修上の注意】
原則大学の指示に従い,対面での講義となる。
非対面(オンライン)の場合は,「CCSを活用した基本型授業とTV会議システム(Teams等)を併用して実施します。」Teams:【月2 新美】外国経済論1(春) Teamsの招待コード:x5jnkxd
本講義は対面・非対面にかかわらず原則講義形式で行うが,履修者数によっては適宜グループ・ディスカッションやアクティブラーニングの手法を用いることがある。なお,受講生の関心や理解度に合わせて,講義の内容を変更することもある。
・オフィスアワー(講義内容等に関する相談機会):
火曜日4限曙館748研究室あるいはTeams「Office-hours(Niimi)」(招待コード:ktasevy)
但し,事前にアポイントメントを取られた学生を優先する。また,当該時間以外でも調整することも可能ですので,事前連絡下さることをお勧めする。
【事前準備学習】
講義概要でも触れた通り,本講義では基礎的な経済学,経済史,国際経済学のほか,国際関係論などの分野の知識が必要になる。これまでにこれら科目(高校での政治・経済や現代社会など含む)を履修している学生は,事前に復習をしておいて頂きたい。もちろん,これらの科目を履修していない学生に対しても,理解できるような講義内容となっているが,その場合は,予習・復習は欠かせない。また,講義に関わる新聞記事などを読んでレポート作成課題(ホームワーク)を出す場合もある。常日頃から,とくにアジア経済に関する新聞記事など読んでおくことを推奨する。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特に教科書は定めないが,適宜授業中に参考図書等を紹介する。特に,本講義では各国経済を紹介するので,講義で触れる各国・地域に関する図書等を紹介する。 |
参考書 | 『世界経済論』 山本和人・鳥谷一生 ミネルヴァ書房 2020 『中国経済発展論』 中兼和津次 有斐閣 1999 『アジア政治経済論』 末廣昭・山影進 NTT出版 2001 『ベトナム経済発展論』 トラン・ヴァン・トウ 勁草書房 2010 『東アジアの奇跡』 世界銀行 東洋経済新報社 1998 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・試験(中間あるいは中間レポート) :20%
・試験(期末あるいは期末レポート) :30%
・宿題など(期間中の小テスト):10×4回=40%
・授業時の態度・積極性など:10%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション(外国経済論に関する学習方法・評価の観点等について説明する)及び各国経済システム比較概説 | |
2 | 経済システム比較(歴史的展開) | |
3 | 経済システム比較(近代経済学の発展) | |
4 | 新自由主義経済とは | |
5 | 東アジア経済比較 | |
6 | 日本経済(戦前・戦後) | |
7 | 日本経済(バブル経済と失われた20年) | |
8 | 韓国経済の発展 | |
9 | 中国経済(発展戦略) | |
10 | 中国経済(市場経済体制への移行) | |
11 | ASEAN経済圏-地域経済統合の形成 | |
12 | 東南アジアとは | |
13 | ベトナム経済概説 | |
14 | インドネシア経済概説 | |
15 | 日本企業の海外展開 | |
16 | 定期試験期間 | |