【講義概要】
本講義では、教育方法の基礎理論と実践について、授業の構成要素や主要な教授法と形態を探究しつつ理解を深める。
具体的には、中学校や高等学校における授業例を取り上げながら、児童生徒の実態に基づいた授業の設計や実施の方法について考える。また、学力に関する理論や教育評価の理論と方法、教具・教材やICTを用いた教育、教授・学習組織についても学習する。これらを通して、教師の指導技術や授業で活用される実践的知識についても考察する。
-------------
この授業は、教職課程のカリキュラムのうち「道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目」の「教育の方法及び技術(情報機器及び教材の活用を含む。)」に対応している。
また、本学のディプロマ・ポリシーのうち以下の能力を養うことを主な目的としている。
【知識・技能】
1) 人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識を身に付けている。
【思考力・判断力・表現力】
1) 実社会で生起する様々な課題を正確に理解し、それぞれの学問領域に即して解決策を考えることができる。
2) 他者に対して、自分の考えを口頭や文章によって的確に伝えることができる。
【主体性・多様性・協働性】
1) 謙虚に学び、他者を理解・尊重して、よりよい人間関係を築くことができる。
2) 学修成果を活用し、他者と協働して問題解決に向けて行動することができる。
【学習到達目標】
本科目の到達目標は、以下を通じて教育方法に関する基礎的な知見を習得することにある。教育方法の基礎的な理論と実践を理解すること、授業を構成する要素やアクティブ・ラーニングとしての在り方を理解すること、教育評価・学習評価の基本的な考え方を理解すること、学習指導の過程論と学習指導の技術について理解すること、目標・内容/教具・教材/授業展開/教授・学習組織/評価などの視点を習得して教育目的に応じた授業の設計と実施に関しての理解を深めること、教育メディアと情報機器の操作ならびに情報活用能力(情報モラルを含む)の指導法の理解を深めること、教授と学習における教師の役割について理解を深めること、である。
【履修上の注意】
・グループワークの際には、相手の意見や経験を尊重するとともに、自分自身の意見や経験の相対化を意識するように努めましょう。
・講義内でのワークシートは自らの考えを深めるツールです。積極的に取り組みましょう。
・毎回の講義資料やノートを持参し、講義中に振り返りができるようにしましょう。
・自分自身の被教育経験を振り返りつつ、教科や学校種を超えた柔軟な姿勢で臨みましょう。
【事前準備学習】
テキストや配布資料を授業の事前事後に読むようにしましょう。
特にテキストは事前・事後に読むことで、理解が深まります。
講義後には疑問点等をまとめ、次時の学習に活かすようにしましょう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『実践に活かす 教育課程論・教育の方法と技術論』 樋口直宏、林尚示、牛尾直行(編著) 学事出版 2020 |
参考書 | 『三訂版 教育の方法と技術』 平沢茂(編著) 図書文化 2018 『教育方法学』 長谷川栄 協同出版 2008 『教育方法学』 佐藤学 岩波書店 1996 『高等学校学習指導要領』 文部科学省 東山書房 2019 『中学校学習指導要領』 文部科学省 東山書房 2018 『小学校学習指導要領』 文部科学省 東洋館 2018 学習指導要領については文部科学省のホームページよりダウンロードもできるので、随時参照のこと。 |
指定図書 | 『教育方法学 』 長谷川榮著 協同出版 2008 『インストラクショナルデザインの道具箱101』 市川尚, 根本淳子編著 北大路書房 2016 |
【評価方法】
試験の結果を主たる評価対象(70%)とし、提出物および授業態度(30%)を加味して、総合的に評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 教育方法とは何か | |
2 | 教育方法の理論ーヘルバルトの教育的教授論・デューイの経験主義的教授論 | |
3 | 教育の評価と方法(指導要録、到達度評価、ポートフォリオ) | |
4 | 教育の評価と授業改善(学力調査、学習指導要領、カリキュラム・マネジメント) | |
5 | 教材研究と教材の活用・学習環境 | |
6 | 学習・学力とは何か(アクティブ・ラーニングを含む) | |
7 | 学習指導の形態 | |
8 | 授業のデザインと学習指導案 | |
9 | 学習指導過程の基礎理論について | |
10 | 学習指導の技術について | |
11 | 授業実践における教師の役割と実践的知識 | |
12 | 授業研究・授業分析(目的と対象、実践の系譜) | |
13 | 教育メディアとその活用 | |
14 | 情報機器の操作と情報活用能力の育成 | |
15 | 教授・学習組織と学級経営 | |
16 | 定期試験期間 | |