名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限ヨーロッパ研究春A名古屋 22天野 幸輔FE2340

【授業情報】

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講義概要

 ドイツ・フランス共通歴史教科書(現代史)"Histoire/Geshichichte, L'Europe et le monde depuis 1945/Europa und die Welt seit 1945"の意義を、主としてドイツ側から探ります。
 当教科書を学ぶ前提として、両国の教育制度、歴史教育の位置づけ、大学受験制度等を概観します。またドイツについては、旧東ドイツと旧西ドイツにおけるナチズムのとらえ方の違い、宗教および宗教教育のとらえられ方の違い、道徳教育を概観します。
 こうした学修活動を通じて出版された2006年と現在の欧州の違いをとらえられることを一つの目標ともします。
 国際理解教育とはどのようなことか、日本が近隣諸国と共通歴史教科書を編纂するとした場合に問題になりそうな点について、各自自分の言葉で意見を述べられることも目標の一つです。
 毎回出される課題資料を読み、自分の意見をもって授業に参加することが求められます。
 この授業は、本学のディプロマ・ポリシー【知識・技能】のうち、「人間、社会、文化、自然などに関する幅広い知識を身に付ける」能力を養うことを主な目的としています。




【学習到達目標】

・主に1945年以降、現代までのドイツとフランスの歴史教育に関する基礎知識の習得できる。
・国際理解教育に関する理解を深めるとともに、日本と近隣国が共通歴史教科書を編纂するとした場合、問題や障壁となりそうなことを分析する視点を身に付けることができる。またそれらを自分の言葉で説明できる。
・欧州史の多様な側面を理解することができる。また現在における欧州の存在意義を自分の言葉で説明できる。
・共通歴史教科書が平和教育にどのような点で役立ち、どのような点でそうではないのか説明できる。



履修上の注意

・読み物資料(こちらで準備します)を読み、興味・関心や必要に応じて自ら参考文献にあたるなどして、自分の意見をまとめてから授業に参加する姿勢が求められます。
・座席は指定とし、少人数でのディスカッションを含みます。
・第1回目のレポートが大変重要です。履修変更等で、第2回目から参加される人にも必ず出していただきます。
・本講は原書講読ではありません。日本語による資料で、日本語を用いて授業を行います。
・CCSのMinutePaperを利用するため、対面時にPC等、意見を入力できるデバイスを持参してください。



【事前準備学習】

 専門的な知識は必要としませんが、ドイツ、フランス、欧州に関するニュースに日頃から関心をもって理解しようとすることが求められます。特にロシア・ウクライナ問題が勃発したことで、様々な意味で状況が刻々と変化すると考えられます。アジアに住む自分に引き付けて学ぼうとすることが重要です。
 毎回、予習・復習、各2時間分の資料を配付します。講義で得た「問い」を、自ら解決しようとする学習態度を期待します。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書-教科書は、登録されていません。-
参考書『忘却に抵抗するドイツ』 岡裕人 大月書店 2012
『ドイツの歴史教科書』 ローラント・ヴォルフガング・ヘンケ 他 明石書店 2019
『ドイツの歴史現代史 ドイツ高校歴史教科書』 W・イェーガー 他 明石書店 2006
『シリーズ・ドイツ現代史Ⅳ ドイツの歴史教育』 川喜田敦子 白水社 2005
『シリーズ・ドイツ現代史Ⅲ 戦後ドイツのユダヤ人』 武井彩佳 白水社 2005
『増補新装版 図説 ドイツの歴史』 石田勇治 他 河出書房新社 2007
『増補新装版 図説 フランスの歴史』 佐々木真 河出書房新社 2016
『ドイツの歴史 (ケンブリッジ版世界各国史)』 メアリー・フルブロック 創土社 2005
『フランスの歴史 (ケンブリッジ版世界各国史)』 ロジャー・プライス 創土社 2008
『国際理解教育ハンドブック』 国際理解教育学会 明石書店 2015
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

平常点(課題、授業への参加態度、リフレクションペーパーへの記述内容の質など):40%、レポート(初回、期末):60%による総合評価。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1オリエンテーション、日本における国際理解教育
2ドイツとフランスの教育制度と大学入試
3ドイツとフランスの歴史教育の位置づけ
4ドイツの歴史教育
5旧西ドイツと旧東ドイツにおけるナチズムの位置づけ
6旧西ドイツと旧東ドイツにおける宗教・宗教教育、倫理教育
7忘却に抵抗するドイツ
8ドイツの道徳教育(実践哲学科の価値教育)
9共通歴史教科書誕生までの諸問題
10共通歴史教科書の実際1「1章第2次世界大戦の結果とその影響」
11共通歴史教科書の実際2「6章ヨーロッパの分断」
12共通歴史教科書の実際3「7章ヨーロッパの建設」
13共通歴史教科書の実際4(13章1945年以降の世界における文化の変容)
14共通歴史教科書の実際5(17章ドイツ・フランスの協力関係は模範的な成功を示しているのか)
15国際理解教育の意義・在り方に関する討議・意見交換
16定期試験期間