【講義概要】
「理学療法は評価に始まり評価に終わる」といわれるほど、理学療法評価は非常に重要です。理学療法評価は、医療面接にはじまり、観察、検査・測定、統合・解釈へと続く患者の病態を理解するための一連の思考過程から構成されています。ある問題があったとして、その根幹が何であるかわからなければ、選択すべき理学療法の決定や、その効果を判定することもできません。理学療法評価の過程では、これまでに学習した疾患の特性を十分理解した上で、疾患が引き起こす障害を系統的に分類して、障害像を統合・解釈できるかにかかっています。本講義では、この理学療法評価の意義、目的について理解し、理学療法における基本となる形態的評価について学習します。
本授業は学科専門科目の専門基礎科目、理学療法のための評価学に位置し、臨床実習で学習した内容が問われる科目となります。また、本学のディプロマ・ポリシー【知識・技能】のうち「基礎医学領域の知識ならびにそれに基づく理学療法学と関連する専門領域の知識と技術を身につける。」【主体性・多様性・協働性】のうち「学習成果を活用し、他者と協働して問題解決に向けて行動する事が出来る。」といった能力を養うことを主な目的としています。
【学習到達目標】
・理学療法評価の重要性を理解し、対象に対して評価をする意義および評価手技を学び、障害像の解析ができるようにする。
・形態計測、関節可動域検査(ROMテスト)および徒手筋力検査(MMT)を計測する意義、目的および計測方法について理解でき、説明できるようにする。
【履修上の注意】
予習、復習の成果を毎々確認してください。なお、本講義は理学療法評価学Ⅰ演習と対になっていますので、2科目を同時に履修していただきます。
【事前準備学習】
これまでに学んできた、解剖学、体表解剖学、運動学を理解しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『新・徒手筋力検査法』 津山直一、中村耕三 協同医出版 『理学療法評価学 障害別・関節別評価のポイントと実際』 市橋則明 編集 文光堂 |
参考書 | 『理学療法評価学 改訂第4版』 松澤正, 江口勝彦 金原出版 『理学療法評価法』 中島喜代彦, 千住秀明 編集 神陵文庫 『標準理学療法学 理学療法評価学』 内山 靖 編 医学書院 『理学療法学ゴールドマスターテキスト』 柳澤 健 著 メジカルビュー社 『理学療法評価学テキスト』 細田多穂 監修 南江堂 『リハビリテーション基礎評価学 (PT・OTビジュアルテキスト)』 潮見泰藏, 下田信明 羊土社 |
指定図書 | 『神経症候学 改訂第2版 2』 平山惠造著 文光堂 2011 『理学療法評価学 改訂第4版』 松澤正, 江口勝彦著 金原出版 2012 『理学療法評価学 初版 1 (15レクチャーシリーズ. 理学療法テキスト)』 石川朗総編集/森山英樹責任編集 中山書店 2013 |
【評価方法】
授業態度、筆記試験を以って評価とします。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 評価とは、評価の意義 | |
2 | 形態計測とは、ROM-tとは | |
3 | 形態計測実習(四肢長・周径等) | |
4 | 関節可動域:関節可動域測定(下肢) | |
5 | 関節可動域:関節可動域測定(上肢) | |
6 | 関節可動域:関節可動域測定(頸部、体幹) | |
7 | 関節可動域:総括 | |
8 | 筋力テストの意義、MMTとは | |
9 | 徒手筋力検査(下肢1) | |
10 | 徒手筋力検査(下肢2) | |
11 | 徒手筋力検査(下肢3) | |
12 | 徒手筋力検査(上肢1) | |
13 | 徒手筋力検査(上肢2) | |
14 | 徒手筋力検査(上肢3) | |
15 | 徒手筋力検査上肢・下肢総括 | |
16 | 定期試験 | |