【講義概要】
公共経済学では、ミクロ経済学とマクロ経済学の理論をベースに政府の経済活動について分析を行う科目です。とくに「ミクロ経済学入門」で学習した余剰分析については、講義の中で前半にも後半にも登場します。同じく「ミクロ経済学入門」で習った外部性、公共財、独占といった「市場の失敗」についても学びます。 「マクロ経済学入門」で習ったマクロ経済(景気)の安定化のために政府が実施する財政政策や、政府の資金調達の手段の一つとしての国債についても、全15回の講義のうち後半で登場します。
また、民主主義や多数決による決定の難しさについて、モデルを使って説明します。選挙制度や官僚制、利益団体等の存在によって政府がどのような影響を受けるのかということについても見ていきます。
そのほか、再分配機能についても学習します。
このように『政府の経済活動』を、『経済学の理論』という目線を通して見ていく科目です。
【学習到達目標】
公共経済学の基礎的な理論を理解できるようになる。公共経済学の基礎理論に基づき、どのような場合に、どのように市場メカニズムと市場への政府の介入を使い分ける必要があるかということや公共財や公共サービスを供給する上で市場経済への政府の介入以外の有効な方法とはどのようなものであるかといったことについて自分の意見を述べられるようになる。
【履修上の注意】
体調不良や就職活動、その他いかなる理由であっても、授業に出席できなかった場合には、欠席として扱います。
CCS上で「欠席」と登録された記録を「出席」に変更するように教員に依頼しても対応しません。
提出物の期限は守るようにしてください。私語や途中退出等ほかの受講生の受講の妨げとなる行為は慎んでください。原則的に毎回、授業中に課題を課しますので、できるだけ欠席しないようにしましょう。
【事前準備学習】
事前学習
1年次で履修した「ミクロ経済学入門」や「マクロ経済学入門」、2年次以降で履修する「財政学入門」の復習をしておいてください。
事後学習
講義資料や参考書の該当箇所を読んで知識の定着を図るようにしてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 講義資料をCCSにアップします。 |
参考書 | 『公共経済学15講』 佐藤主光 新世社 2018年 『私たちと公共経済学』 寺井公子・肥前洋一 有斐閣 2015年 『公共経済学入門』 上村敏之 新世社 2011年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
課題の提出状況30%、期末試験70%で評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 公共経済学とは | |
2 | 経済学の評価基準、社会的余剰最大化について | |
3 | 完全競争市場と独占禁止法の意義 | |
4 | 大気汚染、中古車、騒音、高速道路 | |
5 | なぜみんなのものは不足するのか?公共財の最適供給 | |
6 | 民主主義の難しさ、コンドルセのパラドックス中位投票者定理 | |
7 | 間接民主制オストロゴルスキーのパラドックスと1票の格差 | |
8 | 政治家に影響与える人たち、プリンシパルエージェント問題 | |
9 | 中央政府と地方政府、ヤードスティック競争 | |
10 | 社会の誰を優先するのか | |
11 | 政府の活動の資金、社会的余剰の損失の発生 | |
12 | 消費税と所得税 | |
13 | 年金制度と世代間格差 | |
14 | 国債発行と世代間格差 | |
15 | まとめ | |
16 | 試験期間 | |