【講義概要】
「社会政策」という用語が初めて登場したのは,19世紀後半のドイツにおいてで,その後イギリスや西欧の先進諸国に広がりました。そして,その「社会政策論」は日本にも輸入され,社会科学において経済学・法学・政治学・社会学など,さまざまに関連する学際的な分野として重要な位置を占めています。社会政策論が対象とするのは,一般的には「社会問題」ですが,その範囲は、歴史的発展を経て拡大し,いわゆる「労働者問題」から始まって,各種の労働政策,公的年金,医療保障,公的扶助,家族政策,住宅政策および社会福祉サービスなども含んでいます。現代において,これらの多様な問題・領域を統一的な視点から総合的にとらえることは難しいですが,転換期だからこそ,人間社会の根幹である「労働」と「生活」に関する包括的な視点から経済社会の諸問題を見直してみることがとても重要だと思います。まず、前半では,Ⅰはじめに ─ 社会問題と社会政策 ─ ,Ⅱ社会政策の原理と理論,Ⅲ社会政策の歴史と実践的体系という構成で,社会政策に関する基礎知識について講義します。
【学習到達目標】
社会政策論の基礎,ならびに社会政策の歴史や現代における社会政策の制度的体系について理解することが目標です。
【履修上の注意】
特にありませんが,しっかり聴いて、いっしょに考えることができる講義を心がけます。
【事前準備学習】
新聞,ニュースおよびインターネットなどを通じて,広く社会の問題に興味をもつようにしてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特になし |
参考書 | 講義の中でその都度指示・紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点50%(出席・小テストなど)と定期試験50%による総合評価
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 社会問題と社会政策 | |
2 | 人間社会と社会政策の必要性 | |
3 | 人間生活の基本構造 | |
4 | さまざまな社会政策論 | |
5 | 社会体制と社会政策論 | |
6 | 労働者問題 | |
7 | 労働者保護政策の展開 | |
8 | 保護政策から分配政策へ | |
9 | 社会保険政策 | |
10 | 社会保険から社会保障へ | |
11 | 社会保障の進展 | |
12 | 労使関係政策の展開 | |
13 | 「労働の人間化」政策の展開 | |
14 | 総合社会政策のゆくえ:現代労働政策の課題と展望 | |
15 | まとめ及び定期試験 | |
16 | 定期試験期間 | |