【講義概要】
本講義では、外国為替の仕組みや役割を学びながら最近までの国際金融の動きや変化を捉えます。
経済のグローバル化がすすむ中、特に、金融のグローバル化は巨額の国際的な資金移動をともない、わが国経済や世界経済に大きな影響を及ぼしています。こうした経済情勢の変化に影響されながら、為替相場は日々大幅に変動します。円相場はドルやユーロといった他国通貨の動きに反応しながら、乱高下しています。また、変動する為替相場は、輸出入のみならず、景気の動向にも影響を与えることから、私たちの生活に大きな関わりを持っているといえるでしょう。国際金融論を理解するためには、激変する世界や日本の経済や金融の現状を理解するのはもちろんのこと、外国為替や国際金融の仕組みに関する知識が不可欠です。
●この授業は、経済学部のディプロマ・ポリシー【知識・技能】のうち「経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなす力」を養うことを主な目的としています。
●将来金融機関に就職を希望する学生は本講義を履修することを推奨しています。
※教員の実務経験:証券アナリスト
※実務経験をいかした教育内容:
準大手証券会社にて証券アナリストとして、企業調査(「業界レポート」作成・発表)や株式分析(「株式レポート」作成・発表による株式レーティング)業務に従事した経験を踏まえ、金融論を講じています。
【学習到達目標】
本講義の目標は、現実の国際通貨や国際金融に関わる諸問題を理解するための前提となる、外国為替や国際金融に関する理論、基礎的な用語や仕組みを学ぶことにあります。
【履修上の注意】
※第1回目講義にて授業ガイダンス(履修に当たっての注意事項を説明)を実施します。必ず参加してください。
※金融論2では金融論1の受講を必須としていません。金融論1を受講していない学生も金融論2を受講できます。
※以下の4科目(必須および指定科目)が修了していることを前提に講義を進めます。
①「高校数学の基礎知識(高校数1・数A以上)」を有していること。
②「ミクロ経済学入門」
③「マクロ経済学入門」
④「金融論入門」
●原則、②③④「不合格」の学生は受講できません。
【事前準備学習】
①高校程度の数学(高校数1・数A以上)の復習をしておいてください。
②「ミクロ経済学入門」「マクロ経済学入門」「金融論入門」の復習をしておいてください。
③毎回、電卓を持参してください。
④毎日、外国為替に関連した「金融記事」に着目しながら日本経済新聞を読み、議論(着目した理由、記事の要約、記事が日米の株価などといった金融ニュースや実体経済に及ぼす影響など)できるよう準備しておいてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『国際金融論をつかむ【新版】』 橋本優子・小川英治・熊本方雄 有斐閣 2020年 |
参考書 | 『日本経済新聞』 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
学期末試験は「持込み不可」「座席指定」でおこないます。
注)感染症等の社会情勢により変更可能性もあります。
評価方法は、以下①②③の総合点数。
①平常点(出席・受講態度など)+②小テスト・MP(ミニッツペーパ)の点数:50%
③学期末試験:50%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 講義ガイダンス、国際金融論とは | |
2 | 国際収支①:経常収支 | |
3 | 国際収支②:資本移転等収支、金融収支、誤差脱漏 | |
4 | 国際収支③:まとめ | |
5 | 国際決済①:外国為替制度(定義と仕組み) | |
6 | 国際決済②:外国為替市場 | |
7 | 国際決済③:外国為替相場 | |
8 | 国際決済④:円高・円安と貿易収支(マーシャルラーナー条件とJカーブ効果) | |
9 | 国際決済⑤:つづき | |
10 | 為替相場制度の特徴 | |
11 | 為替レート決定理論の基礎1:購買力平価 | |
12 | 為替レート決定理論の基礎2:絶対的購買力平価、相対的購買力平価 | |
13 | 為替レート決定理論の基礎3:金利平価 | |
14 | 外部講師による講演 | |
15 | 見直し及び質問受付 | |
16 | 定期試験期間 | |