【講義概要】
国際金融に関する時事的な問題を随時取り上げながら,理論や政策,歴史の各側面から解説する。
オープンマクロ経済学として扱われる国際金融論は,国際間の経済取引を金融を通じて理解する学問であり,扱われるテーマもテレビや新聞でよく見聞きする身近なものが多い。グローバル経済の恩恵を多分に受ける日本にとって外国との経済的な結びつきは大変重要で,世界から見た日本経済を理解するためにも国際金融の知識は不可欠である。
本講義では,対外的な経済取引を記録した国際収支の仕組みや国際間の経済取引において欠かすことのできない国際通貨やそのプラットフォームである国際通貨制度について解説する。また,固定相場制と変動相場制における金融や財政政策の効果や通貨危機,金融危機といった経済に大きなショックをもたらす経済問題についても解説する。
【学習到達目標】
グローバルな経済活動における国際金融の必要性を理解し,国際金融に関わる諸問題の把握と基本的な分析手法を習得する。
国際金融に関する時事的な問題やニュース,情報に対して関心をもち,それらの背景や原因,今後の動向について理解する。
また、学部のディプロマポリシーに掲げる、本講義を通じて修得した知識や技能を活用して、実際のビジネスや企業経営に関する諸問題に対する解決策を探求する能力を身に付ける。
【履修上の注意】
・予め金融基礎論と外国為替論を履修しておくことが望ましい。
・講義には自らが興味をもって受講して下さい。
・毎回の積極的な講義への参加を求めますが,出席する限りは出来るだけ多くの知識を吸収してもらいたい。
・この授業は、原則対面授業としますが、状況に応じて非対面授業とすることもある。非対面授業では主にCCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施しますが、必要に応じてTV会議システム(Teams等)を併用する。Teamsを利用する際はCCSを通じてチームコードを連絡します。
【事前準備学習】
事前に配布されるレジュメと参考文献をもとに事前学習に努めてもらいたい。
講義にはレジュメを持参して下さい。
不明な点や疑問点があれば遠慮なく質問して下さい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『国際金融のしくみ 第4版』 秦忠夫・本田敬吉 他 有斐閣アルマ 2012 『現代国際金融論 第4版』 上川孝夫・藤田誠一 他 有斐閣ブックス 2012 『はじめて学ぶ国際金融論』 永易淳・江阪太郎 有斐閣ストゥディア 2015 『外国為替・国際金融入門第2版』 川本明人 中央経済社 2018 『国際金融論のエッセンス』 高屋定美・高濱光信〔編〕 文真堂 2021 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
基本的には学期末に実施される定期試験によって評価するが,必要に応じて平常点を考慮する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 1: 国際金融とは | |
2 | 2: 国際収支の仕組み | |
3 | 3: 国際収支と国民経済・・・・貯蓄・投資(IS)バランス理論 | |
4 | 4: 国際収支の発展段階説 | |
5 | 5: 二期間モデル(消費-貸付モデル)と貧困の悪循環 | |
6 | 6: 国際通貨制度の仕組み | |
7 | 7: 国際通貨制度の変遷 | |
8 | 8: 国際金本位制から再建金本位制 | |
9 | 9: ブレトンウッズ体制~変動相場制 | |
10 | 10: 開放経済における金融・財政政策 | |
11 | 11: ポリシーミックス | |
12 | 12: マンデル=フレミング・モデルの導出 | |
13 | 13: マンデル=フレミング・モデルによる分析効果 | |
14 | 14: 政策協調の必要性(ゲーム論的手法) | |
15 | 15: 通貨危機と金融危機 | |
16 | 16: 定期試験期間 | |