【講義概要】
ミクロ経済学とは、経済活動を行う最小単位の存在として消費者(家計)と生産者(企業)を考え、その行動や市場における両者の相互作用(財・サービスの売り買い)を分析する経済学の一分野である。より具体的には、財・サービスに対する消費者の需要量(買いたいと思う量)や生産者の供給量(売りたいと思う量)は価格との間にどのような関係を持つのか、市場における財・サービスの価格や取引量はどのようなメカニズムで決定されるのか、その取引の結果は果たして社会的に望ましいものなのか、などの事柄をグラフや数式を用いながら論理立てて分析する。これらの内容は他の多くの経済学分野の基礎となっていることから、ミクロ経済学は経済学の理論的な支柱を担う重要な分野であるといえる(秋学期の必修科目で扱うマクロ経済学はもう一つの柱である)。
本科目はこのようなミクロ経済学の導入科目として位置付けられており、受講者が、需要、供給、市場均衡といったミクロ経済学の基本概念に関する正しい理解を獲得するとともに、余剰分析とよばれる基礎的で重要な分析方法を正しく身につけることなどを目的としている。
なお、本科目は複数のクラスに分かれており、クラスごとに担当教員が異なるが、共通のテキストに基づいて授業が行われる。また、テキストや教員が作成する資料・動画などを使った予習を前提とし、各回の授業の冒頭ではその理解度を確認するための小テストを行う。さらに、CCSにはいつでも自由に取り組むことのできる「自学自習問題」も用意されているので、授業内容の復習や基礎知識の確認の為に活用されたい。
◆学部のディプロマポリシーおよびカリキュラムポリシーとの関係
本科目は学部カリキュラムの「基幹科目」に属する必修科目であり、その履修を通して、ディプロマポリシーに掲げる以下の能力を獲得することが特に期待される。
【知識・技能】経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる。
【思考力・判断力・表現力】社会を洞察するための論理的思考力をつけ、因果関係の把握や費用便益の比較考量ができる。
【学習到達目標】
①ミクロ経済学の基礎的な用語の意味を正しく理解し、説明できる。
②財・サービスの価格および取引量の決定メカニズムを正しく理解し、図解できる。
③政府の政策やその他外生的な要因の変化が消費者と生産者の利益に与える影響を分析する方法(余剰分析)を正しく理解し、実践できる。
【事前準備学習】
受講前:指定された教材(テキストや教員作成の資料・動画)を使って予習を行うこと。
受講後:その回の内容を自分で整理・復習した上で、対応する範囲の自学自習に取り組むこと。