名古屋学院大学シラバス


                シラバス

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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限資源・エネルギー政策秋A名古屋 23木船 久雄EK3309

【授業情報】

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講義概要

 ロシアがウクライナに侵攻した2022年2月24日以来,世界はエネルギー供給の危うさに震撼した。エネルギー価格は高騰し,「第三次エネルギー危機か」と騒がれた。
 一方,日本国内でも電気・ガス,ガソリンの価格が高騰し,食料価格とともにコストプッシュ・インフレの原因となっている。それに留まらず,今や電力の供給力不足で停電さえ懸念されている。
 産業活動のみならず,私たちの生活もまたエネルギーと深く結びついている。エネルギー消費によって便利さや快適さを確保し、時間を買うことさえ可能とする。
 ところがエネルギーの確保や消費には様々な問題が伴なう。まず、日本には安価なエネルギー資源がほとんど存在しない。そのため,海外からの輸入に依存する。そこで,どのようにエネルギーを確保するかという経済安全保障の問題が出てくる。経済活動に不可欠であるという商品特性や資源の賦存が地理的に遍在していることから,この商品は歴史上常に戦略商品となってきた。「戦争の歴史はエネルギー確保の歴史」であったといっても過言ではない。加えて,地球温暖化問題だ。主要な温暖化ガスであるCO2の排出量を減らそうとすれば,省エネか脱化石燃料しか他に手は無い。
 本講座の内容は大きく3部で構成される。1部はエネルギーの基礎知識,2部はエネルギーと経済,3部はエネルギー政策である。エネルギーが現代の社会経済にいかに影響を及ぼしているか,実際のデータやトピックスを折りませながら,丁寧に解説する。
 この授業は,主として,経済学部のディプロマ・ポリシーに掲げられた次の能力を身に付けることを目的としている。それらは,【知識・技能】の「①経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる」および「②経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる」、さらに【思考力・判断力・表現力】の「⑤政治・法律分野とのつながりを理解し,経済社会を多面的に捉えることができる」である。



【学習到達目標】

①国際的な視野からエネルギー環境問題への理解を深め,我が国のエネルギー政策に対して,自らの考えを持ち,他者とディスカッションできるようになる。
②幅広い社会問題について,自ら考え,自ら取り組むための思考習慣を身につける。



履修上の注意

(1)講義用のプリント資料は授業当日に教室前方に配置する。出席者は各自一部ずつ取ること。
(2)講義内容の理解を深めるために,履修者にCCSを介した「ミニッツペーパー(MP)」の提出を求めている。設問や課題は,授業終了時に提示する。MPの提出〆切は授業当日の22:00である。
(3)学期末試験のほかに,学期中に2~3回小テストを行う。小テスト実施のタイミングは前週の授業内で告知する。



【事前準備学習】

①事後学習として,「MP課題」に回答すること。提出〆切は授業当日の22:00。
②事前・事後学習の教材として,CCS上に講義内容に則した「自学自習」問題を用意している。「自学自習」問題は,小テストにも活用される。それら問題群を積極的に利用されたい。




【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書-教科書は、登録されていません。-
参考書『エネルギー政策の新展開』 木船・野村・西村共編著 晃洋書房 2017年
『エネルギー白書』 経済産業省資源エネルギー庁 政府刊行物 2022年
『エネルギー問題入門』 リチャード・ムラー 樂工社 2014年
経済産業省・資源エネルギー庁『エネルギー白書』は以下のウェブサイトからダウンロード可能。 http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023.pdf/ また,石油連盟,電気事業連合会,日本ガス協会などのHPにも豊富な資料がある。
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

・学期末試験(60%)と平常点(40%)
・平常点はミニッツペーパーの答案内容,小テストの点数,授業内での貢献,自学自習の履修実績など。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1エネルギーとは
2エネルギー問題の重要性
3エネルギーバランス表の読み方
4エネルギー問題の基本的な知見
5エネルギーと経済活動
6エネルギーの需要分析
7エネルギーの供給分析
8エネルギー政策の経済
9エネルギーの経済分析
10石油産業の成立
11国際石油市場
12電気事業と政策
13再生可能エネルギー政策
14原子力政策
15資源エネルギー政策の要点(全体のまとめと復習)
16定期試験期間