【講義概要】
手形・小切手は、長い間、企業間の取引における支払、信用・金融の手段(道具)として、現金の代わりに使われてきた有価証券です。現代においては、IT技術の進展による支払決済手段の電子化・多様化に伴い、手形・小切手の利用は減少し、電子的決済への移行が加速化しつつあります。しかし、現代的な支払決済制度を理解するには、依然として従来の手形・小切手法を通じた有価証券法理の学習とその応用が必要となります。本講義では、手形・小切手の仕組みや内容について基礎的な知識を身につけ、有価証券の意義や機能、有価証券上の権利の発生、行使、移転など有価証券法理の学習を目標とします。また、手形・小切手をはじめ,電子マネーやクレジットカードやなどの様々な支払決済手段についても触れます。
なお、本講義は、法学部カリキュラム上の「商事法科目」に該当し、ディプロマ・ポリシーに掲げられている基礎的知識を体系的に身につけることを目指します。
【学習到達目標】
・従来の手形・小切手における機能や仕組みを理解し、有価証券法理に関する基礎知識を身につける。
・現代的な支払決済手段の仕組みと機能の理解に応用できる。
【履修上の注意】
・授業には教科書、六法を持参してください。
【事前準備学習】
・講義前は、講義テーマやレジュメ内容に関するテキストの当該箇所を一読すること。
・講義後は、講義で扱った内容を中心に復習すること。また補足資料の配布がある場合は、補足内容についても復習すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『手形・小切手法〔第2版〕』 早川徹 新世界 2018 ・授業では、レジュメを配布します。また、補足資料や判例も適宜配布します。 |
参考書 | 『支払決済法〔第3版〕』 小塚荘一郎、森田果 商事法務 2018 『手形小切手判例百選』 神田秀樹編、神作裕之編 有斐閣 2014 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・平常点20%、小テスト20%、定期試験60%
評価方法の詳細については、第1回目の授業で説明します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス:様々支払決済手段とその役割 | |
2 | 手形・小切手の意義と経済的機能 | |
3 | 有価証券 | |
4 | 約束手形①:手形行為と原因関係、手形割引など | |
5 | 約束手形②:振出 | |
6 | 約束手形③:白地手形 | |
7 | 約束手形④:流通(裏書) | |
8 | 約束手形⑤:善意取得者の保護 | |
9 | 約束手形⑥:決済(支払)と遡及 | |
10 | 約束手形⑦:権利の消滅 | |
11 | 為替手形と小切手 | |
12 | 手形・小切手以外の有価証券 | |
13 | 電子記録債権 | |
14 | その他支払決済手段①:電子マネーなど | |
15 | その他支払決済手段②:デビットカードなど | |
16 | 定期試験期間 | |