【講義概要】
私たちは世界各国から送られてくる様々な輸入商品を日常生活で消費していますが、輸入品は、どのようなプロセスを経て私たちのもとに届いているでしょうか。国外からのモノの輸入においては、売主たる輸出者と買主たる輸入者との間では売買契約が、売買契約の目的物を運送するための運送契約が、生産地(輸出国)から目的地(輸入国)までの目的物の運送において生じ得る事故などの危険に備えた保険契約が、様々な商取引が「国際的」に行われています。本講義では、国際取引の中でも貿易取引を中心に、国境を超えて行われる売買契約、運送契約、保険契約、代金決済、紛争解決に関する基礎的な知識を身につけることを目指し、これらにかかわる法規範や国際的ルールについて学習します。
なお、本講義は、本学のディプロマ・ポリシーのうち「実社会で生起する様々な課題を正確に理解し、それぞれの学問領域に即して解決策を考える」ことを目的とします。また、法学部カリキュラム上の「国際関係法科目」に該当し、法学の体系的理解を目指します。
【学習到達目標】
・国境を超えた商取引の一連の流れを理解すること。
・国境を超えたモノの移動、それに伴う様々なやりとりについて、国際的な視点および法的視点で考える力を培うこと。
【履修上の注意】
・「国際私法」、「現代法特論」も履修することで、本講義の内容に関する理解を深めることができます。
・国内における商事売買など商取引に関しては、「商法総則・商行為法」の履修をお勧めします。
【事前準備学習】
・事前学習:講義テーマやレジュメ内容に関するテキストの当該箇所を一読すること。
・事後学習:講義で扱った内容を中心に復習すること。また補足資料の配布がある場合は、補足内容についても復習すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『国際取引法(第5版)』 佐野寛 有斐閣 2023 ・授業では、レジュメや資料も適宜配布します。 |
参考書 | 『国際取引法講義(第3版)』 久保田隆 中央経済社 2021 『現代海商法(第5版)』 箱井崇史 成文堂 2024 『海上保険』 中出哲 有斐閣 2019 『国際関係私法入門(第4版補訂)』 松岡博編 有斐閣 2021 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・平常点20%、定期試験80%
評価方法の詳細については、第1回目の授業で説明します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 国際取引法を学ぶ前に:国際取引の意義及び特色 | |
2 | 国際取引に適用される法 | |
3 | 国際的な物品の売買 | |
4 | 国際物品売買契約条約(ウィーン売買条約) | |
5 | インコタームズ(貿易条件) | |
6 | 国際物品運送の種類と法の統一 | |
7 | 国際海上物品運送法概説 | |
8 | 船荷証券 | |
9 | 国際海上物品運送人の責任 | |
10 | 国際航空運送 | |
11 | 国際複合運送 | |
12 | 国際貨物保険(海上保険) | |
13 | 国際的な代金の決済(荷為替信用状) | |
14 | 国際取引紛争の解決①-国際裁判管轄 | |
15 | 国際取引紛争の解決②-国際商事仲裁 | |
16 | 定期試験期間 | |