【講義概要】
市民生活の基本法である民法では、財産取引と家族に関することを規律しています。そして、財産取引は大きく、物に対する権利である「物権」と人に対して一定の行為を要求する権利である「債権」の2つの財産に分けられます。
「債権」はさらに、どうすれば債権が発生するのかということを規定する「債権各論(契約及び法定債権(事務管理・不当利得・不法行為))」と、発生した債権のその後の扱いについて規定する「債権総論」に分けられます。
本講義では、債権総論の中でも、債権とはどのようなものなのか、債務者が債務を履行しない場合に債権者はどのようなことが出来るのか、ということを中心に学びます。
本講義は、法学部のディプロマ・ポリシーの【知識・技能】のうち「法律学における基本的知識の体系的理解およびその応用力」を、【思考力・判断力・表現力】のうち、「リーガル・マインド(法的思考力・法的判断力)」「実社会で生起する様々な法的課題を正確に理解し、解決策を考える能力」を養うことを主な目的としています。また、カリキュラム上では、必修科目に該当します。
【学習到達目標】
〇債権総論に出てくる各概念を正確に理解できるようになること
〇各条文でどの様なことが規定されているのか理解できるようになること
〇条文の解釈について、問題を提起し、判例・学説を踏まえて自身の考えを示せるようになること
【履修上の注意】
1.六法を持参してください。
2.授業の妨げになる行為(私語・携帯やスマホをいじるなど)は禁止します。
3.授業態度が悪い場合には退室を命じます。
4.成績評価について、出席による平常点はありません
5.授業は適宜質疑応答を行いながら進めます。もっとも、質問に対して「正解」を答えることは求めません。淡々と講義を聞くのではなく、質疑を通して一定の緊張感を保ちつつ、時折考えてみることが大事です。
※授業は受講者の理解状況等を踏まえて進めますので、シラバスの予定と異なる場合があります。
【事前準備学習】
予習・復習共に必要となりますが、授業が終わった後にレジュメをまとめたり、ノートを作るなど特に復習を中心に行ってください。
予習は、参考図書の該当箇所を事前に読むようにしてください。なお、精読まではしなくて構いません。まずは、一読することを心がけてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『教科書 民法Ⅲ―債権総論〔第5版〕―』 野村豊弘他 有斐閣 2023年 授業中に適宜提示します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
成績は、期末テスト100点満点で評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 債権総論導入―債権総論では何を学ぶのか・債権の性質― | |
2 | 債権の目的―債権にはどの様な種類のものがあるのか― | |
3 | 債権の効力 | |
4 | 債権の強制履行 | |
5 | 債務不履行①―債務不履行の諸類型と要件― | |
6 | 債務不履行②―不随義務― | |
7 | 債務不履行③―損害賠償― | |
8 | 責任財産の保全①―債権者代位権(要件)― | |
9 | 責任財産の保全②―債権者代位権(効果)― | |
10 | 責任財産の保全③―詐害行為取消権(要件)― | |
11 | 責任財産の保全④―詐害行為取消権(効果)― | |
12 | 分割債権・分割債務・不可分債権・不可分債務 | |
13 | 連帯債務 | |
14 | 保証①―保証債務の成立・効果― | |
15 | 保証②―連帯保証・共同保証・継続保証― | |
16 | 定期試験期間 | |