【講義概要】
近年、「地方創生」への注目が高まっています。その背景として、深刻化する地方の過疎化や少子化などの環境変化があり、地方の自立化(自律化)が求められるようになっています。従来の経済・文化の東京への一極集中という状況において、今後、地方にとって「縮小」の時代に入るにあたり、「東京」という中央に付随する周辺的な存在のままでは埋没してしまいます。だからこそ地方創生として、地域の自立化(自律化)が目指されるようになっています。すなわち、その地域の独自性を見出していくことが重要になりますが、それこそが「地域ブランド」の確立につながります。
地域ブランドの議論は、地理学や社会学、農学、政治学などさまざまな専門領域からの知見がありますが、本講義では主にマーケティング論やブランド論、流通論、商業論の視点から議論を展開していき、地域ブランドの理論、手法、事例を学んでいきます。
なお、授業では講義形式だけではなく、学生の発表など積極的な参加が求められるため、授業を欠席せずに参加し続けること必要です。
本講義ではディプロマ・ポリシーの【思考力・判断力・表現力】における、実際の企業経営について、自ら課題を見つけて解決していくために必要な思考力・判断力・行動力を身に付けること、自己の課題解決に対する取り組みおよびその成果を論理的に他者に説明することができること、【主体性・多様性・協働性】における、主体性を持って多様な人々と協働して課題解決に向けて行動する態度を身につけることができることを目的とする。
※COC地域志向科目
【学習到達目標】
「当たり前」をあらためて考える視点を養う。
「縮小」の時代というこれまでになかった環境変化において自分自身で考えるための力をつける。
本学のある名古屋市熱田区のブランド化を考える。
自身の身近な地域のブランド化を考える。
【履修上の注意】
この授業は、対面(面接)授業を基本とするが、状況によってCCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施する。その場合の対応方法はCCSで連絡をする。
【事前準備学習】
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
授業内で例示した地域や特産品などの内容をインターネットなどで1時間程度、復習として調べておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書は使用しない。授業内で資料等を提示する。 |
参考書 | 『地域ブランディングの論理』 小林 哲 有斐閣 2016 『ブランドの誕生』 田村 正紀 千倉書房 2011 『地域ブランド・マネジメント』 電通abic project編 有斐閣 2009 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験60%、毎回のミニッツペーパー課題や発言など平常点40%
毎回のミニッツペーパー課題の内容(質問)などは次回授業の冒頭でフィードバックする。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション:「地域ブランド論」で何を学ぶか | |
2 | マーケティングの基礎 | |
3 | ビジネス・ブランド論の基礎 | |
4 | 地域マーケティング、エリアマーケティング | |
5 | 地域ブランドの概念枠組み | |
6 | 地域ブランドが注目された背景 | |
7 | 地域ブランド・マネジメントの枠組み | |
8 | 特産品の地域ブランド化 | |
9 | 事例:特産品の地域ブランド化 | |
10 | 場所・空間のブランド化 | |
11 | 事例:場所・空間のブランド化 | |
12 | 地域ブランドと流通・商業 | |
13 | 事例:地域ブランドと流通・商業 | |
14 | 事例:名古屋市熱田区における地域ブランド化の取り組み | |
15 | 全体のふりかえり | |
16 | 定期試験期間 | |