名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限都市デザイン論春A名古屋 23三矢 勝司GD3320

【授業情報】

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講義概要

近年、「社会デザイン」「コミュニティデザイン」という言葉、概念が使われるようになっており、デザイン概念の拡張が起きています。このため、都市デザインにおいても、社会の変化に対応した捉え方が重要です。
現代日本の都市空間の多くは、1960年代、70年代といった高度経済成長期に作り出されたものが多く、当時は人口拡大の状況もあり、如何に早く、効率的に「つくる」のかが問われていました。しかし現代日本社会は、経済も成熟、安定の状況にあり、どちらかというと、今ある都市環境のストックをどう「つかう」のかが重要となっています。
都市環境ストックは、多様な主体が「つかう」ものであり、その主体間の合意や調整が必要です。従って、現代における都市デザインは、物理的な色や形を決めて「つくる」という意味でのデザインを超えて、多様な主体の対話や協働によって構想・計画され、作り出され、運営される(つかう)、一連のプロセスを射程に入れる必要があります。
そこで本講座では、都市の中で、多様な主体がつくり(構想、計画)、つかう(運営、管理)共有財産(都市コモンズ)に着目し、その計画手法や運営方法について学びます。具体的には、集合住宅や地域施設、都市サービス、教育施設、シェアハウス、シェアオフィス、公園、道路、河川といった都市コモンズを取り上げ、考察します。
本講義は、現代社会学部ディプロマポリシーの現代社会における<人間社会と心理>、<経済社会と企業>。<社会制度と政策>および<社会生活と地域>という4つの基本分野に関する専門的知識を修得できるともに、現代社会がもつさまざまな側面にアプローチし、それらを洞察し、的確に判断できることをめざします。また、「社会を知り人を想う」ことで新たな社会を創造しようとする精神を身につけることを目的とします。

※COC地域志向型科目



【学習到達目標】

都市をデザインする上で重要となる、都市コモンズの存在を意識的にとらえられるようになることを前提として、様々な都市コモンズの計画手法や管理運営手法について、基本的な考え方を習得するとともに、実例を通じて、その課題や解決策について理解を深めることを目標とします。



履修上の注意

都市に対する感度を高くもつことを日頃から意識するようにしましょう。自分が日頃住んでいる都市(まち)、通学する先の都市(まち)に対して、あるいは、出かけた先の都市など自分の生活行動の先にある「都市」に注意を払うようにしてみましょう。「この都市はいいな」とか「よくないな」と思ったことがあればメモを残す、さらに自分がそう思った理由についても考えてみると、都市をみる目が養われます。本講座を受けることによって、この都市をみる目がさらに高まるはずなので、講義で学んだ視点をもって都市をみる、というフィードバックを心がけるようにしてください。



【事前準備学習】

インターネットや新聞、雑誌、あるいは下記にある書籍を事前に目を通して、都市デザイン、都市コモンズとはどういうものかをイメージを思い浮かべることができるようにしてください。
なお、事前に講義資料の一部をCCSを通じて配布します。事後には、授業で学んだことをミニッツペーパーで記述してもらいます。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書-教科書は、登録されていません。-
参考書『イタリアのテリトーリオ戦略』 木村純子・陣内秀信 編著 白桃書房 2022
『サードプレイス』 レイ・オルデンバーグ みすず書房 2013
『新コモンズ論-幸せなコミュニティをつくる八つの実践-』 細野助博、風見正三、保井美樹 中央大学出版社 2016
『ウォーカブルシティ入門』 ジェフ・スペック 学芸出版社 2022
『CREATEIVE LOCAL』 馬場正尊ほか 学芸出版社 2017
『ニューミュニシパリズム』 山本隆、山本恵子、八木橋慶一 編著 明石書店 2022
『地域から生まれる公共性』 田中重好 ミネルヴァ書房 2010
『マンションをふるさとにしたユーコート物語 -これからの集合住宅育て』 乾亨、延藤安弘 昭和堂 2012
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

■定期試験(50%)
■中間テスト(20%)
■平常点(30%)
・平常点は講義で学習した内容を記述するミニッツペーパーで評価する。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1ガイダンスと都市デザイン、都市コモンズの視点
2都市コモンズをとりまく社会的環境
3暮らしとコモンズ(1):マンションの計画と管理
4暮らしとコモンズ(2):コーポラティブハウス、コレクティブハウス
5暮らしとコモンズ(3):生協活動、町内会活動、まちづくり協議会
6知識コモンズ(1):教育施設、新しい学び
7知識コモンズ(2):図書館、本のある場
8知識コモンズ(3):インターネット、オープンデータ、シビックテック
9中間テスト
10新しい暮らしとコモンズ(1):【住まい】シェアハウス、グループホーム
11新しい暮らしとコモンズ(2):【職場】シェアオフィス、コワーキングスペース
12新しい暮らしとコモンズ(3):【サードプレイス】まちの縁側と社会的関係資本
13インフラコモンズ(1):【公園】コミュニティガーデン
14インフラコモンズ(2):【道路】ウォーカブルシティ、ストリートデザイン
15インフラコモンズ(3):【河川】川まちづくり、テリトーリオ
16定期試験期間