【講義概要】
ヒトが示す高次の認知機能はすべて進化の歴史を通じて獲得されたものである。本講義では,最初に進化論を取り上げ,魚類から始まる脊椎動物の進化,および人類進化の道筋について解説する。次に,多くの動物種を対象に行われてきた認知実験を紹介し,種間にみられる認知機能の質的・量的な差について説明する。そして,なぜ高い認知機能を獲得した種と獲得しなかった種が存在するのかについて,生息環境への適応の観点から検討する。
この授業は、本学のディプロマ・ポリシー【思考力・判断力・表現力】のうち「共生可能な持続的社会形成のための思考力・判断力・行動力を身に付ける」ことを主な目的としています。
【学習到達目標】
様々な動物種を対象に行われてきた研究を概観することを通じて,ヒトの心も進化の産物であることを理解する。
【履修上の注意】
・私語は厳禁です。
・毎回、ミニッツペーパーの提出を求めます。
【事前準備学習】
授業中に理解できなかった部分はそのままにしておかず、ミニッツペーパーで質問するか、自分で調べて解決するよう努力すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 使用しません。 |
参考書 | 授業の中で紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎回の授業後に提出してもらうミニッツペーパーの内容で評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション:「比較認知科学」とはどういう学問か | |
2 | 進化の基礎Ⅰ:脊椎動物の進化 | |
3 | 進化の基礎Ⅱ:自然淘汰 | |
4 | 進化の基礎Ⅲ:性淘汰 | |
5 | 動物の学習能力の研究法Ⅰ:古典的条件づけ | |
6 | 動物の学習能力の研究法Ⅱ:オペラント条件づけ | |
7 | 知性の進化Ⅰ:種間比較にまつわる諸問題 | |
8 | 知性の進化Ⅱ:系統発生と学習能力 | |
9 | 知性の進化Ⅲ:情動を媒介する学習 | |
10 | 知性の進化Ⅳ:採餌行動にみる合理性 | |
11 | イヌとネコの比較Ⅰ:家畜化された動物の特徴 | |
12 | イヌとネコの比較Ⅱ:種間差と個性 | |
13 | 霊長類の認知Ⅰ:視覚の発達とヘビ恐怖 | |
14 | 霊長類の認知Ⅱ:利他行動の進化 | |
15 | 霊長類の認知Ⅲ:ヒトの特殊性 | |
16 | 定期試験期間 | |