【講義概要】
西洋近代科学の支配力にはすさまじいものがある。今日、ほぼ全世界規模でその影響の拡がりを見る思いがするのは、多くの人が感じていることであろう。だが、それがもたらした自然破壊その他の弊害から、西洋的世界観を見直す機運が出てきていることも事実である。科学といえど、世界のものの見方の一つなのである。ただ、その場合、やみくもに代替物として東洋思想を推奨するのもいかがなものか。西洋近代科学はある意味偏向した世界観かもしれないが、われわれ日本人もその恩恵に大いに浴していることは認めなければならないし、また、その発展にも現代において少なからず寄与してきたことと思う。やはり、そこには強烈な普遍性があるのだ。その彼方と此方の文明の共通性と相違点を、哲学、論理、言語の三つの視点から、科学(と言えば西洋近代科学のことである)的世界観を分析することで探ってゆき、もって今日の国際社会、テクノロジー社会の中で生きてゆく指針を見出したいと考える。併せて、このような西洋近代科学の中で英国および英語が果たしてきた役割も、コンピューター文明隆盛、それに伴う英語第一主義とのつながりで論じてゆきたい。
【学習到達目標】
文化の表面的な類似、相違ではなく、その根底にある人間性の本質のようなものを探ろうとして欲しい。
【履修上の注意】
内容はかなり哲学的、抽象的なので、そのつもりで。
【事前準備学習】
受け身一方の姿勢でなく、自ら考える気概を持って臨んでほしい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
基本的には期末の提出レポートが最重視されるが、受講態度も大いに評価に反映させる。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 第一部 文化としての科学 | |
2 | アリストテレスの哲学 | |
3 | 17世紀科学革命 ガリレオ | |
4 | 17世紀科学革命 デカルト | |
5 | 17世紀科学革命 ニュートン | |
6 | 17世紀科学革命 ライプニッツ | |
7 | 17世紀科学革命 ベーコン | |
8 | 17世紀から今日まで | |
9 | 第二部 科学哲学/科学を考える | |
10 | 論理実証主義 | |
11 | ポパーの反証主義 | |
12 | クワインの全体論 | |
13 | クーンのパラダイム論 | |
14 | 実在論と反実在論 | |
15 | まとめと総評 | |
16 | 定期試験期間 | |