【講義概要】
産業・組織心理学とは,心理学の中でも組織における人間行動に関する領域であり,主として産業場面における組織と個人の関係を,個人の行動や意識の視点からとらえる分野である。この授業では,個人の行動や意識のなかでも「ワークモチベーション」,「キャリア発達」,「組織とリーダーシップ」,「消費者行動とマーケティング」,「組織のストレスとメンタルヘルス」について,これまで蓄積されてきた理論や実証データを紹介する。授業を通じ、組織と個人両方の立場から、よりよい労働環境について理解を深める。
本授業では、産業組織集団における人間行動の学習を通じて、個人と組織の観点からよりよい労働環境の在り方について考える。現代の日本社会における理想的な労働の在り方について考察し(思考・判断:DP3)、さらに、組織の中でどう振舞うことが自己のモチベーションや労働環境の改善に役立つかを提案できるようになることが求められる(思考・判断:DP4)。また、多様な労働環境、労働観の存在を理解し、様々な人々が満足して働くことのできる組織について考えてゆく(態度:DP7)。
(※DP・・・本学における学位授与・卒業認定のための指針)
【学習到達目標】
産業・組織心理学について、
(1)研究知見や理論を、今日の社会や自分の生活と結びつけて具体的に説明できること。
(2)自らが直面する産業・組織の課題を分析して改善方法を提案できること。
【履修上の注意】
・この授業は心理学の中でも応用的内容を扱います。スタンダードの心理学や学部の社会心理学を履修したうえで受講したほうが理解しやすくなります。
・やむを得ない理由がある場合を考慮し、学期途中での警告、及び失格連絡は行いません。欠席した場合はその理由について教員に連絡してください。連絡がない状態で欠席等の上記逸脱行動が繰り返された場合には最終評価時に失格扱いにします。
【事前準備学習】
授業内外のさまざまな集団における活動が、自分の生活や今後の人生にとってどんな意味を持つのかを考えてみること。
具体的には授業中に指示を行う。
基本的には、以下の方針で事後学習を求める。
・毎回の授業終了時に、CCSのミニッツペーパー機能を用いた振り返り課題に回答する
・上記課題の回答期限は当日中とする
・本授業では、CCSでの回答を、対面授業時のカードによる出席認証の代わりとして、出席確認に利用する。単にその場に座っていることは評価の対象になりません。参加して内容を理解したことを課題で確認します。回答忘れがないように注意すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特に指定しない。 |
参考書 | 特に指定しない。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎時限の小レポート:40%
期末試験:60%(試験得点55点、まとめノートA4両面1枚5点)
※期末試験は、15回の授業内容をまとめた自作ノートのみ持ち込み可とする。ノートはA4サイズ両面1枚で自由に作成できるが、期末試験と合わせて提出し評価する。試験の詳細は授業内でアナウンスする。ただし、オンライン試験となった場合はノート提出は行わない。
※その他、無断での遅刻欠席、授業中のマナー違反行動については、減点対象となる。出欠等について必要があれば教員に連絡すること。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション~産業・組織心理学とは | |
2 | 産業・組織心理学の歴史的変遷 | |
3 | ワークモチベーション1:動機づけについて | |
4 | ワークモチベーション2:職務満足感と組織コミットメント | |
5 | キャリア発達1:キャリアとは,スーパーの発達理論 | |
6 | キャリア発達2:シャインの組織内発達理論、これからの”キャリア発達” | |
7 | 中間の振り返り(中間試験) | |
8 | 組織とリーダーシップ1:特性アプローチと行動アプローチ | |
9 | 組織とリーダーシップ2:コンティンジェンシーアプローチと近年の研究動向 | |
10 | 組織とリーダーシップ3:リーダーシップに関するゲームと振り返り | |
11 | 消費者行動とマーケティング1:消費者の商品選択と説得 | |
12 | 消費者行動とマーケティング2:現在志向バイアス | |
13 | 組織の能率と安全1:組織事故とヒューマンエラー | |
14 | 組織の能率と安全2:事故発生モデルと対策 | |
15 | 組織の能率と安全3:組織事故への対応、全体のまとめ | |
16 | 定期試験期間 | |