【講義概要】
文化とは何か、それを政策的に制御することの意味を考えます。それは、国によって大きくことなり、法的な表現を伴って政策となることもあります。そのため、文化政策は、社会にとって大変有益である反面、特定の価値感が法的な拘束力を持って我々の生活を規定することもあるので危険な面もあります。
講義の前半は、文化政策の持っている有効性/危険性を含めた日本の文化政策の考え方や、文化政策の理論的な側面を説明していきます。後半は、各論です。ラップの世界から映画、絵画など芸術を通じて社会を俯瞰します。
(この科目は、COC地域志向型科目です)
【学習到達目標】
文化とは何かを理解できる。また、文化を対象とする政策の基本的な考え方を理解することができる。身近な町の文化政策の具体的な考察を通じて、文化の重要性を認識することができる。
【履修上の注意】
芸術や文化に対して強い関心があること。関心のない学生は履修を勧めません。但し、関心の分野は問いません。映画、演劇、ゲーム、能、狂言、音楽、彫刻、陶芸、絵画、前衛舞踏、信仰や宗教など何でも構いませんが、とにかく「表現」分野に関心が必要です。
*遠隔授業の場合は、CCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施します。詳細は、授業連絡でお知らせします。
【事前準備学習】
芸術や文化に関する関心を持つこと。伝統文化(祭り、慣習、食、町並みなど)でも創造的な表現文化(音楽、演劇、舞踏、陶芸など)でも構わないので、関心を持っておくこと。できれば、文化に触れておくことが望ましい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『文化の社会学』 佐藤健二・吉見俊哉 有斐閣アルマ 2007 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
中間レポート40%、最終レポート60%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 講義概要の説明(文化とは何か、文化と社会の関係など) | |
2 | 日本の文化政策(時代的特徴) | |
3 | 日本の文化政策と今日的課題ー「表現の自由」を考える(ケーススタディ) | |
4 | 日本の文化政策(討論)と海外の文化政策との比較-特徴と異質を明らかにする | |
5 | 文化を護る制度―文化財保護法の概要説明 | |
6 | 文化財保護の今日的課題を考える | |
7 | 文化政策の事例研究―名古屋市の文化政策を考える | |
8 | 文化政策の事例研究ー南砺市の文化政策を考える | |
9 | 総論の総括(課題作成) | |
10 | 映画の世界―ミニシアターの果たす役割(ゲストを予定) | |
11 | 現代社会とアート①ラップミュージシャンと貧困問題(ECDとSINGO★西成&釜ヶ崎芸術大学) | |
12 | 現代社会とアート②社会を変える芸術ー岡本太郎と北川民治の世界 | |
13 | 伝統と革新を問う①(柳宗悦の美の世界) | |
14 | 伝統と革新を問う②(現代社会を巡るアートの世界) | |
15 | 総括講義と最終課題作成 | |
16 | 定期試験 | |