【講義概要】
「皆さんはどういう人ですか?」、「家族や周りの人とはどのようなところが一緒でどこが違いますか?」
いきなりこんな質問されても困りますよね。
でも、日本国憲法はひとりひとりの多様な生き方を大事としています(憲法13条)。ということは、個性や人間の存在そのものを否定する、過去の大半の独裁者や現在も存在する独裁国家とは異なる国に皆さんは暮らしていることになるわけです。
だからこそ、改めてこのような問いについて考えることは重要なのです(無論、独裁国家の中で生活していても重要です)。この国の法律は、憲法の考え方が反映されますから、いろんな人たちが仲良くしていくために、「相手の生き方を尊重しましょうね」、「相手を侮辱したり差別発言したりしないようにしましょうね」といったことを示すコミュニケーションツールとしての役割を果たします。
ただ、残念なことに、この世界どころか日本国内においても、差別的な考え方や発言はなくなっていません。政治家ですら、そういう発言をする人がいます。
そこで考えたいのは、「現在の日本の法律や政治は、どこまで憲法が示す考え方を緻密に実現しているでしょうか?」、「男女平等はどうでしょう?」、「民族同士は平等な関係といえるでしょうか?」などという問題です。
この講義では、日本という国・社会に多様な人々が存在していることを確認してもらった上で、法との関わりを考えてもらい、皆さんもその社会の一員であることを再確認してもらいたいと思います。
【学習到達目標】
①日本の法について、基礎的な知識を獲得することができるようになること。
②新聞やニュース番組で取り上げられる法律問題について理解できるようになること。
③他の授業科目(社会学、まちづくり、経済学など)との連関性を理解できるようになること。
【履修上の注意】
この授業では、できる限り、学生と教員との対話型の講義を行っていきたいと思いますので、参加者は使用してほしい事例などを積極的に提示して下さい(アンケートを実施しますので、考えておいて下さい)。
シラバスの講義進行はあくまでも目安です。特に、今年度の国会も憲法などに関連する法案がたくさん審議される見込みですし、それらも含めて皆さんが知っておいた方がよい話題がでてきた場合にはそちらを優先しますのでご了承下さい。
【事前準備学習】
毎日、法律の話が関わるニュースにふれて下さい。例えば、犯罪事件や裁判。
義務教育時、あるいは高校時に勉強した法律の部分を復習しておいて下さい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 配布プリントや資料に記載するか、講義中に提示します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
原則、①ミニッツペーパーなどの提出物5割、②定期試験かレポート5割、③講義中の発言で評価したいと思います。②が曖昧なのは、感染症の流行状況などに応じて変更するためです。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 現代社会と法の関係(ガイダンスも含む) | |
2 | 独裁国家の事例から多様性の問題について考えてみましょう! | |
3 | 日本のハンセン病者事例から多様性の問題について考えてみましょう! | |
4 | 今までの講義のような事例は身近にないか考えてみましょう! | |
5 | 男女平等と法‐憲法、男女共同参画社会基本法など | |
6 | セクシュアリティと法 | |
7 | 民族と法(1)‐アイヌ民族と法 | |
8 | 民族と法(2)‐北方少数民族と法 | |
9 | 言語と法 | |
10 | 路上生活者と法 | |
11 | 実名報道と法 | |
12 | 優性保護政策と法 | |
13 | 緊急事態時におけるマイノリティと法 | |
14 | その他取り上げるべき最新事例と法 | |
15 | 授業総括 | |
16 | 定期試験(orレポート) | |