【講義概要】
グローバリズムのもと、日本の社会に多くの外国人がはいってきて、ともに働き、生活するようになり、ものの考え方も生活習慣も異なる人々に遭遇する機会が増えた。また、日本人も観光、留学、仕事などで欧米だけなく、アジアやアフリカなど諸外国で暮らす人も増えている。
この講義ではさまざまな異文化体験を通じて、人間を人間たらしめている文化についての理解を深めることを目指す。
文化人類学は、我々とは異なるロジックにしたがって生きている「他者」を理解することを通じて、我々自身についてよりよく知ることを目指している。
講義の後半では、経済と文化の関係について、例をあげて解説する。経済活動には、市場原理にもとづくものと、文化的互酬性にもとづくものがある。これらの原理はまったく異なり、ときとして正反対の性質を持つものであるが、我々は無意識のうちの両者を使い分けたり混同したりしている。経済人類学を学ぶことは、現代社会をよりよく理解することにつながる。また、市場経済原理と文化的社会的人間の両分野の中で現代人が生きていることを自覚し、総合的な人間性を回復することをこの講義では目指している。
【学習到達目標】
人間を人間たらしめている「文化」を明らかにすることによって、文化の普遍性と個別性を学ぶ。さらに自分が属する文化、すなわち自文化を相対化することを学ぶ。経済原理と社会原理の両分野を理解し、それぞれの矛盾を克服した総合的な人間性をもって生きていけることを目指す。
【履修上の注意】
ノートの取り方を工夫してください。黒板を写すだけではなく、自分の頭で理解しながらノートにまとめてください。
毎回、講義の終わりに課題を出しますが、丁寧に書くこと。内容だけでなく講義への姿勢も、提出物から判断します。
【事前準備学習】
自分の文化を相対的に見ることを心掛けてください。事後学習として、配布資料や講義ノートから講義内容を復習しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | 『一覧』 |
【評価方法】
毎回講義の終わりに課題を出しますので、その提出物の内容から平常点をつけます。講義を5回欠席したら、失格にします。平常点2割、期末試験(持ち込み不可)8割で成績をつけます。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 文化人類学の目的と独自性 | |
2 | 異文化理解 | |
3 | 民族とは(1) | |
4 | 民族とは(2) | |
5 | 言語と民族(サンの例) | |
6 | 言語の分類(1) | |
7 | 言語の分類(2) | |
8 | 印欧語族とウラルアルタイ語族 | |
9 | 文字の発明 | |
10 | 言語と文字の関係 | |
11 | 宗教とは | |
12 | 宗教と民族 | |
13 | 経済人類学の射程 | |
14 | 贈与交換と取引交換 | |
15 | 経済と文化(まとめ) | |
16 | 定期試験期間 | |