名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
1限国際文化論春A名古屋 21佐竹・鹿毛 ・宮坂WB1105

【授業情報】

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講義概要

 本講義はグローバル時代の国際文化の概念とあり方を考察するとともに、具体的な事例を紹介しつつ、文化の国際性という問題に言及する。

授業では1.まずは国際文化論全般について概説し、その後、日本・日本人にとっての国際文化の理解について歴史学的視点から論じる。また、現代時事としての国際文化理解の課題について理解を深める。

 次に2.国際文化とは何か、今日の国際文化を作り上げるグローバリゼーションとは何か、さらに対抗する存在としての民族文化、及び国家の役割を考察する。グローバリゼーション、民族文化、そして、国家の役割に触れ、今日の国際文化の多様性を理解する。その中で変わりつつある日本、フィリピンの事例を取り上げる。

 3.さらに国の際(きわ)でなされる交易や文化交流に着目する。沖縄県八重山地方における台湾人のトランスナショナルな生き方や、インド・ラダックにおいて国境を超えて広がる宗教共同体の活動について、文化人類学的な視点から考察する。
 
 講義は3名の教員によるオムニバス形式で行うが、内容については下記の講義テーマに即して展開される。




【学習到達目標】

 この授業は国際文化学部で学ぶすべての授業の基礎をなすものであり、個別的な地域、対象、方法に分化した国際理解学習の前提である。したがって学習者には世界の現状を捉えるために必要な基本的な視点や思考の原点を持つことが求められる。
 具体的には日常生活においてさまざまな形式で受容される世界の情報を、地理的、宗教的、文化的、経済的背景とともに、的確に理解できるようになることが必要である。それは学習者自身が世界の動きに対する傍観者であることを止め、現実世界を動かす当事者になるということの第一歩であるという自覚を求めるものでもある。



履修上の注意

 鹿毛、佐竹、宮坂の順で授業を行う。鹿毛 1-5回目、佐竹 6-10回目、宮坂11-15回目の授業を行う。

 すべての授業に遅刻することなく出席すること、および授業中は教員の発言を理解にとどめることができるようにノートを取り、次回の授業に備えて当該地域に関する予習などをすることが求められる。

 各教員のまとめのテストを必ず受けること。出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合は「失格」とする。




【事前準備学習】

 国際学習は地域学習の積み重ねであるから、授業前に当該学修地域に関する基礎的情報(地理的位置、歴史の概略、現在の政治経済的位置)などについての知識を得ておくことが求められる。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 特に指定しないが、授業中に参考にすることが望ましい書籍・資料などを紹介する。
参考書『(指定図書)交錯する宗教と民族―交流と衝突の比較史』 鹿毛敏夫・宮坂清ほか 勉誠出版 2021
『(指定図書)世界史の中の戦国大名』 鹿毛敏夫 講談社 2023
『国際文化論』 平野健一郎 東京大学出版会 2000
『フィリピンを知るための64章』 大野拓司、日下渉、鈴木信隆 明石書店 2016
『境域の人類学―八重山・対馬にみる「越境」』 上水流久彦ほか 風響社 2017
指定図書一覧

評価方法

 授業に臨む態度を基礎条件とする平常点(10%)と、それぞれの教員が実施する小テストの成績の合計(90%)で評価する。
 鹿毛は、講義後に実施するまとめレポートによって評価します。佐竹は数回提出するミニッツペーパーによって、成績をつけます。宮坂は、毎講義後に実施するミニッツペーパーによって評価します。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1鹿毛 「国際文化論」とは(本科目の全体目標・スケジュール・概要および評価方法等)
2    リスボンに残る16世紀日本の古文書を解読する
3    アジアの中華思想と日本
4    聖地エルサレムの歴史と現状
5    愛知の「三英傑」(信長・秀吉・家康)を国際文化論から斬る
6佐竹 国際文化論とは―文化触変
7   文化の多様性:グローバリゼーション(1)―ディズニーランドとユニバーサル・スタディオ
8   グローバリゼーション(2)―マクドとモスバーガー、フィリピンの例(ジョリービー)
9   鎖国ー鎖国の是非、統一国家の役割 現代―生き残る国家?
10    定期試験(ミニッツペーパーか教室での解答)
11宮坂 国の際の文化―かたい国境/やわらかな境域
12    交易と文化交流(1)―八重山と台湾
13    トランスナショナルな生き方―八重山の台湾人
14    交易と文化交流(2)―ラダックとその周辺
15    越境する宗教―チベット、ラダック、バルティスタン
16予備