【講義概要】
本講義では、現実の金融諸問題についての理解を深めるために、入門レベルとしての金融理論および分析手法や実際的金融知識(特に、「マクロ金融」に関連したテーマ)を習得します。
金融とは、私たちに預金をはじめとする貯蓄手段を提供するとともに、企業などに対しては資金を調達する手段を提供します。こうした金融活動は、国内総生産や雇用量および物価などといったマクロ経済変数への影響を通じて、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼしています。テレビや新聞では、株価や為替レートのことを報じた金融ニュースが毎日報道されていますが、ほとんどの経済活動が「カネ」の流れと不可分であるため、金融の問題は私たちの身近な問題といえるでしょう。「カネ」の流れに関わるあらゆる経済現象を分析の対象とした学問である、金融論を理解するためには、理論や分析手法に加えて、実際の金融制度や金融市場の仕組みに関する知識も不可欠です。
●この授業は、経済学部のディプロマ・ポリシー【知識・技能】のうち「経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなす力」を養うことを主な目的としています。
●将来金融機関に就職を希望する学生は、本講義を履修することを推奨しています。
※教員の実務経験:証券アナリスト
※実務経験をいかした教育内容:
準大手証券会社にて証券アナリストとして、企業調査(「業界レポート」作成・発表)や株式分析(「株式レポート」作成・発表による株式レーティング)業務に従事した経験を踏まえ、金融論を講じています。
【学習到達目標】
本講義の目標は、現実の金融諸問題についての理解を深めるために、入門レベルの金融理論および分析手法や実際的金融知識を習得することです。特に、「マクロ金融」に関連したテーマを概説します。
【履修上の注意】
※第1回目講義にて授業ガイダンス(履修に当たっての注意事項を説明)を実施します。必ず参加してください。
【事前準備学習】
①高校程度の数学(高校数1・数A以上)の復習をしておいてください。
②「ミクロ経済学入門」「マクロ経済学入門」の復習をしておいてください。
③毎回、講義には電卓を持参ください。
④毎日、金融記事に着目しながら日本経済新聞(あるいは一般新聞)を読み、討論(着目した理由、記事の要約、記事が日米の株価などといった金融ニュースや実体経済に及ぼす影響など)できるよう準備しておいてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『金融論第3版』 家森信善 中央経済社 2022年 『コンパクトマクロ経済学(第2版)』 飯田泰之・中里透 新世社 2022年 |
参考書 | 『日本経済新聞』 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
学期末試験は「持込み不可」「座席指定」でおこないます。
注)感染症等の社会情勢により変更可能性もあります。
評価方法は、以下①②③の総合点数。
①学期末試験(持込み不可):50%
②平常点(出席・受講態度など)+③小テスト・MP(ミニッツペーパ)の点数:50%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 講義ガイダンス、金融論とは | |
2 | マクロ・ミクロ経済学入門の復習 | |
3 | 財市場の均衡①:財市場の基本的な関係式 | |
4 | 財市場の均衡②:総需要(家計消費、設備投資、政府支出) | |
5 | 財市場の均衡③:財市場の需給均衡(IS曲線の導出、貯蓄と投資の一致) | |
6 | 金融市場の均衡①:貨幣と債券 | |
7 | 金融市場の均衡②:貨幣需要 | |
8 | 金融市場の均衡③:貨幣供給 | |
9 | 金融市場の均衡④:貨幣市場の需給均衡(1)金利の決定 | |
10 | 金融市場の均衡⑤:貨幣市場の需給均衡(2)LM曲線の導出 | |
11 | 財市場と金融市場の同時均衡(IS‐LM分析) | |
12 | 伝統的な金融政策および日本の金融政策の概要 | |
13 | 非伝統的な金融政策および現代の金融政策 | |
14 | 授業見直し及び質問受付 | |
15 | 授業見直し及び質問受付 | |
16 | 定期試験期間 | |