名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限臨床神経学秋A名古屋 22土肥 靖明RL2106

【授業情報】

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講義概要

 ディプロマ・ポリシーに掲げた医療・保健・福祉の分野で活躍できる理学療法士としての能力を獲得するためのカリキュラム編成の中で、臨床神経学は専門基礎科目に位置付けられています。すなわち、専門実践科目(疾病・障害に対する理学療法学)を習得するための基礎として、まず、疾病及び障害の成り立ちと医学的診断と治療について理解するのが臨床神経学講義の目的です。

 神経疾患は難解であると考える学生は多く、また、内科医の中でも神経疾患を苦手とする医師が多い。私もその一人です。日本に数例しかない希少疾患も含め数多くの神経疾患を熟知した専門医が、あふれる知識のごく一部を限られた時間を使い説明しようとすれば、素人にとって難解となるのは当然です。しかし、我々にはそんな高度の専門知識は必要ありません。我々が必要としているのは、「科学」としての臨床神経学ではなく、理学療法士に必要な「専門基礎分野の一つ」としての神経・筋疾患の知識です。1日(地球の自転周期)が正確に24時間ではなく「うるう秒」で調整する必要があることを知らなくても正確な時間管理が可能なように、理学療法を計画・施行する上で必要な神経学には重箱の隅をつついて出てくるような希少疾患は含まれません。重箱の大体の大きさと、形、色が分かればそれを見つけて運ぶことはできます。

 皆さんの代わりに、私が神経学の本を1冊読んで理解することにします。それを自分の言葉で体系的にまとめれば、そこに分かりやすい「My神経学」が生まれる(はずです)。この講義は、こうして準備した神経学を学生の皆さんと共有することを目的とします。

 この15回という講義数は、医学部の学生が神経内科学を学ぶ時間数とほぼ同じです。それと同じ時間を使ってよりコンパクトな内容を学ぶ、皆さんにできないはずはありません。



【学習到達目標】

大脳・脳幹・小脳の局在機能と動脈の支配を説明できる
脳梗塞・脳出血について説明できる。
頭蓋内圧亢進症状と髄膜刺激症状を説明できる。
運動と感覚の神経伝導路を説明できる
脳神経、自律神経を説明できる
パーキンソン病を説明できる
多発性硬化症を説明できる
筋萎縮性側索硬化症を説明できる
脊髄小脳変性症を説明できる
筋ジストロフィーを説明できる
多発性筋炎を説明できる
神経筋接合部疾患を説明できる
認知症を説明できる
脳外傷を説明できる
脳腫瘍について概説できる



履修上の注意

必ず教科書を購入してください。教科書とスマートフォンを持ってきて下さい(講義で使用します)。

1. 秋学期が始まるまでに、中枢神経の解剖を復習して完全に覚えてください。
2. 科学的に説明可能な部分は必ずそのメカニズム理解してください。そうすると覚えやすくなります。無駄な時間をなくすため、講義中に完全に理解することを心がけてください。
3. 臨床神経学では復習が極めて重要となります。なぜならば、前回の講義内容が基礎知識となり、その上に次の講義が組み立てられるからです。前にやったことを理解していないと次の講義が分からなくなります。もう一度強調します。必ず復習して、自分の言葉で理解し、覚えてください。
4. 毎回講義前に、前回の講義の習得状況を確認するための小テストを行います。
5. 予習は必要ありません。



【事前準備学習】

1. 臨床神経学の講義が始まるまでに、中枢神経の解剖を復習して完全に覚えてください。これだけは絶対にしてください。
2. 講義開始後は毎回必ず復習をしてください。
3. 毎回の講義前の予習は必要ありません。
4.  毎回の講義後に、この欄に重要な復習ポイントをアップします。小テストはこのポイントが中心となります。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『病気がみえるvol.7 脳・神経 第2版』 メディックメディア 2019年
教科書は必ず購入し、講義に持参してください。講義で使用します。
参考書-参考書は、登録されていません。-
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

試験 80%、平常点 20%
平常点は授業態度、小テストの結果から判断する



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1神経系の全体像と大脳・脳幹・小脳の機能・解剖、脳動脈の解剖
2脳出血と頭蓋内圧亢進
3くも膜下出血・髄膜刺激症状・正常圧水頭症ともやもや病
4脳梗塞
5運動と感覚の伝導路、運動の調節、脊髄の障害、自律神経
6脳神経とその障害
7末梢神経の障害(Guillain-Barre症候群、Charcot-Marie-Tooth病)
8筋疾患(筋ジストロフィー、多発性筋炎)
9脱髄疾患(多発性硬化症)、変性疾患1(筋萎縮性側索硬化症)
10変性疾患2(パーキンソン症候群、脊髄小脳変性症)
11重症筋無力症、Lambert-Eaton
12認知症
13脳腫瘍
14脳外傷
15知識の整理と評価
16定期試験期間