【講義概要】
私たちの身のまわりを観察すると、食料品や衣服など非常に多くの財(商品)を消費していることがわかります。これら財は私たちにとって不可欠なものですが、そのほとんどは商業(小売業)から購入したものだと思います。つまり、商業は私たちにとってそれだけ身近であり重要な存在だということをあらわしています。しかし、その商業は最初から今の姿であったわけではありません。では、その身近であり重要である商業は、どのようにして今の姿に至ったのでしょうか。講義では単に過去を知るためではなく、そのような「現在」をより深く理解することを目的として商業の歴史について議論していきます。
本講義はディプロマ・ポリシーの【知識・技能】における、流通・マーケティング、会計、経営、金融・財務、スポーツマネジメントなど、商学における高度な学術理論およびその実践について学修し、企業や消費者および市場が直面する諸問題の本質を正しく理解すること、修得した知識や技能を活用して、実際のビジネスや企業経営ならびにスポーツマネジメントに関する諸問題に対する解決策を探求する能力を身に付けることを目的としている。
【学習到達目標】
商業がいま直面している課題を把握するために、それを規定する条件となった歴史を理解する。
単に「商業」だけで歴史を捉えるのではなく、「メーカー」との関係からも捉えるという「流通」全体への視点をもつ。
あらためて「当たり前」を問う視点をもつ。
【履修上の注意】
この授業は、対面(面接)授業を基本とするが、状況によってCCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施する。その場合の対応方法はCCSで連絡をする。
授業内での発言など積極的な姿勢が求められます。
【事前準備学習】
春学期開講の「流通論」を基礎知識として1時間程度復習しておくこと。
日ごろの生活で接している商業が、なぜ今のような形になっているのか、ということを新聞・ニュースを通して1時間程度学んでおくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『日本の流通100年』 石原 武政、矢作 敏行 編 有斐閣 2004 『日本商業史』 廣田 誠・山田 雄久・木山 実・長廣 利崇・藤岡 里圭 有斐閣 2017 『日本流通史』 満園 勇 有斐閣 2021 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験 80% 毎回のミニッツペーパー課題、発言など貢献度 20%
毎回のミニッツペーパー課題の内容(質問)などは次回授業の冒頭でフィードバックする。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション-商業史で何を学ぶか | |
2 | 流通・商業とは何か、その基礎:商業の存立根拠 | |
3 | 流通・商業とは何か、その基礎:マーケティングと商業 | |
4 | 商業の成り立ち:古代・中世・近世の商業 | |
5 | 近代商業の成り立ち:近代商業の成立基盤 | |
6 | 近代商業の成り立ち:戦前の百貨店 | |
7 | 近代商業の成り立ち:戦後の百貨店 | |
8 | 近代商業の成り立ち:戦前のチェーンストア | |
9 | 近代商業の成り立ち:高度成長期のチェーンストア | |
10 | 近代商業の成り立ち:安定成長期のチェーンストア | |
11 | 近代商業の成り立ち:戦前の中小小売業 | |
12 | 近代商業の成り立ち:戦後の中小小売業 | |
13 | メーカー視点の商業史 | |
14 | 流通政策の歴史 | |
15 | 流通政策の転換 | |
16 | 定期試験期間 | |