名古屋学院大学シラバス


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シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
1限英語文学概論2秋A名古屋 21米山 雅浩FE1304

【授業情報】

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講義概要

 様々な短編小説を精読し、多様な英語表現について解説し、背景となる国や地域の歴史・文化や対象作家の経歴、文学研究用語等、作品の理解と分析に必要な知識を提供する。
 といっても、この科目は1年次配当ということもあり、抽象的な文学理論に深く立ち入ることはできない。文学作品を広く鑑賞しながら、この分野の研究に最低限必要な専門知識を紹介するにとどめる。たとえば、「精神分析学的アプローチ」を応用すれば理解がより深まるような小説を扱うときに、フロイトやユングの理論について簡単に説明することで、周辺領域の理論が文学研究に応用できることを例証するようにしたい。
 初学者にとって文学作品は平易な英語で書かれていても、実際は意味も価値もわからない謎めいたものであろう。この講義で取り上げる作品はどれも大変短い小説ばかりなので、予習してきた学生の英語読解上の疑問にこたえる時間的余裕がある。そのうえで、教員の提示する様々な論点について、個人またはグループで検討・議論をおこなってもらい、時間が許せば手短に口頭発表もしてもらう。この科目の履修者の何割かは教員免許取得を目指していると予想されるので、勤勉であることを前提に授業を進めていくつもりである。
 なお、ここに書いた内容や下の【学習到達目標】から、この科目は学部DPのうち次の3項目の習得を目指していることがわかると思う。もとよりこの科目が、履修者が「敬神愛人」の精神に基づき、高い志と豊かな国際感覚を備える一助となることを企図しているのは言うまでもないことである。

 ②英語圏の地域の文化、社会、歴史、価値観などについての十分な知識を獲得し、理解を深めることができる。
 ⑤グローバルな視点から世界の文化、社会について考え、自分なりの評価を下すことができる。
 ⑨世界の人間、文化、歴史、価値観などを尊重することができ、より広い視野から世界を観察することができる。

この科目のTeamsコードは、z2lggmv です。



【学習到達目標】

(1)英語文学作品の読解を通じて、英語表現の理解と英語圏文化の理解を深める。
(2)質問に速やかに口頭で答え、短時間で達意の文章を書く力を養う。
(3)小説の登場人物の人生や環境をよく観察し、実社会において他人や社会を評価・洞察する力を高める。



履修上の注意

この授業ではTeamsとCCSの教育支援機能を併用します。出欠管理や成績評価の資料作成にCCSの「小テスト」「レポート」「MinutePaper」等の機能を使用します。使い方の確認は各自で済ませておいてください。教室での対面授業でもTeamsを使いますが、資料はスクリーン上で見られるので、パソコンは不要です。ただし、「MinutePaper」を提出するためには、スマホの文字入力が早くない人は、パソコンが必要になるかもしれません。

<要注意>
この科目で扱う短編小説のなかには、「暴力」「性差別」「人種差別」「性的な描写」「分娩」を直接的または比喩的に扱った作品が複数含まれます。担当教員もこれらの用語・観点を避けて作品を論ずることはできません。履修登録の前にこれらの点を考慮されることをお勧めします。



【事前準備学習】

翻訳でもいいので、テキストで取り上げている作家の小説を読んでおくことをお勧めします。私の読み方が絶対的に正しいわけではないので、図書館で他の研究者がどんな解釈をしているかを調べることも重要です。また、こうした労力が小テストの役に立つでしょう。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『現代アメリカ・ショート・ショート・ストーリーズ』 滝口晴生 編 金星堂
参考書Robert Shapard, Sudden Fiction: American Short-short Stories (Gibbs Smith), 『集英社ギャラリー、世界の文学5』(集英社)、wikipedia英語版
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

小テストを中心に成績評価を行います。その週の授業で扱う短編小説を丁寧に読んできたこと、授業中の教員の解説をよく理解したことを確認するような問題を中心に、毎回の授業中に小テストを行います。週によっては小テストの代わりに、当日扱う短編小説の要約文や解釈文を書いてもらうこともあります。

フィードバックは翌週の授業中に行います。

<要注意>
成績に疑義があれば、教務課に「成績評価確認願」を提出できます。それを受けて成績評価のプロセスを精査し、私にミスや誤りがあれば評価を訂正します。しかし、履修者本人にいかなる事情があっても、不合格者のために「救済課題」「再試験」等は用意しません。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1「アメリカの夢」神話と結婚観。Robert Fox, "A Fable"を中心に。
2非教訓的な文学。Raymond Carver, "Popular Mechanics"を中心に。
3「大恐慌」の時代の若者文化。Gary Gildner, "Sleepy Time Gal"を中心に。
4ニュー・ヨークの黒人社会。Langston Hughes, "Thank you, M’am"を中心に。
5「雇用の安全弁」とメキシコ。Ray Bradbury, "I See You Never"を中心に。
6アメリカ南部の黒人音楽。Donald Barthelme, "The King of Jazz"を中心に。
7失読症と文学。Paul Milenski, "Tickits"を中心に。
8「アメリカの夢」と現実。Rolf Yngve, "The Quail"を中心に。
9アメリカの「政治的正しさ」と夫婦関係。Tobias Wolff, "Say Yes"を中心に。
10アメリカの「有閑階級」。Tennessee Williams, "Tent Worms"を中心に。
11「インディアン」差別? Ernest Hemingway, "Indian Camp"を中心に。
12英語文学に見るカナダ。Margaret Atwood, Alice Munroを中心に。
13英語文学に見るオセアニア。Patrick Whiteを中心に。
14英語文学に見るインド。Ruth Prawer Jhabvalaを中心に。
15英語文学に見るアフリカ。Chinua Achebe, Nadine Gordimerを中心に。
16定期試験期間