【講義概要】
本講義では、心理学の様々な領域の中でも、とりわけ臨床心理学的観点から心理学を概観する。臨床心理学(Clinical Psychology)は、人々の様々な悩みや社会的不適応問題に対する援助を行う応用心理学の一分野である。すなわち、心理学的研究知見と臨床心理学的な援助技法を用いて人々の悩みをアセスメントし、治療的介入ならび支援を行う実践的な学問である。臨床心理学は2度の世界大戦によって戦争神経症（現、PTSD）などの精神疾患を罹患する人々の急増という社会的ニーズに端を発し、その学問的体系が築かれ、現在に至る。昨今、臨床心理学はその応用範囲がさらに広がっており、個人の精神的健康の維持・増進ならび精神的不健康の予防のみならず、地域社会の精神衛生の維持・増進・予防という役割も強調されている。 本講義では、臨床心理学の歴史的変遷の中で台頭した様々なトピックスを取り上げながら、心理学の基礎知識、心理アセスメントと心理療法の基礎について概観する。
※教員の事務経験：認定臨床心理士
※実務経験を活かした教育内容：認定臨床心理士としての実務経験と研究経験に基づいて心の健康とその支援について講義を行う。
【学習到達目標】
①心理学の基礎研究および臨床心理学的基礎知識を学習する。
②精神障害の基礎知識について学習する。
③心理学的アセスメント方法ならび支援方法（心理療法）に関する基礎知識を学習する。
④精神障害に関する誤った知識や偏見について再考し、受講者自身の精神衛生における理解を深める。
【履修上の注意】
① 授業課題（CCS小テストやMinutePaper等）は、「評価対象」となるので、必ず指定日時まで回答すること。
⇒自動受付・終了システム上、期限後の追加受け付けできないので、要注意
② 必要な学生は、CCS教材ボックスの資料（ノート用作成の補助資料）を自由にプリントアウト・活用可能。
⇒PDFファイルは、USBでコンビニでも印刷可能。
③ 着席指定制であり、自分の指定席に着席！
【事前準備学習】
シラバスに沿って教科書の該当箇所を事前に読んでくること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、１週間借りることができます。（一部貸出不可の図書もあります。）
| 教科書 | 『こころのケアー臨床心理学的アプローチー』 池田勝昭・目黒達哉 共著 学術図書出版社 2010
授業は、教科書に掲載されている内容・資料に沿って進められる。 |
| 参考書 | 『心理学概論』 神山貴弥 , 青山謙二郎 ナカニシヤ出版; 第2版 2020
心理学の基礎理論ならび専門用語の学習に活用してほしい。 |
| 指定図書 | －指定図書は、登録されていません。－ |
【評価方法】
平常点５０％（小テスト・課題など）
期末試験５０％
【講義テーマ】
| 回数 | テーマ | テーマURL |
| 1 | 臨床心理学の定義ならび発達段階別支援対象 | |
| 2 | 臨床心理学の歴史Ⅰ：ヒステリー・催眠・無意識を中心に | |
| 3 | 臨床心理学の歴史Ⅱ：心理検査の発達 | |
| 4 | 臨床心理学の歴史Ⅱ：ストレスとPTSDとの関連 | |
| 5 | 人格機能と適応との関連：脳機能と各種精神症状との関連 | |
| 6 | 精神障害の診断と治療Ⅰ：統合失調症・気分障害を中心に | |
| 7 | 精神障害の診断と治療Ⅱ：不安障害・適応障害を中心に | |
| 8 | 精神障害の診断と治療Ⅲ：知的障害・脳器質性障害を中心に | |
| 9 | 心理療法のプロセスと倫理 | |
| 10 | 力動的心理療法Ⅰ：精神分析理論を中心に | |
| 11 | 力動的心理療法Ⅱ：人格障害と精神力動的心理療法論を中心に | |
| 12 | 認知行動療法Ⅰ：行動の学習理論と不適応問題の基礎理論 | |
| 13 | 認知行動療法Ⅱ：認知行動療法の各種技法 | |
| 14 | 現象学的立場の心理療法Ⅰ：人間性心理学を中心に | |
| 15 | 現象学的立場の心理療法Ⅱ：ロージャスの来談者中心療法を中心に | |
| 16 | 定期試験期間 | |