【講義概要】
自然地理学は、気候、地形、水文、植生、土壌等の視点で地域の自然環境を捉える分野である。現在の日本列島は地殻変動・地震活動・火山活動が活発で、地球上でもっとも活動的な変動帯の一つである。日本列島の地形形成はこのような変動帯としての特性に深く関与している。地形の形成と発達は基本的には地殻変動に規制されている。しかし個々の地形のあらわれ方はその地域の気候や植生などに由来する侵食・堆積作用によっているところが大きい。また地表を構成する岩石や土壌などの性質によっても異なる。したがって、ある地形が主として地殻変動に起因する地形であることを判定するためには、地形の成因と形成過程についての広い知識を必要とし、さらに地殻変動のあらわれ方や原因についての理解がなければならない。
この講義では、グローバルな気候の成り立ちと地域性を整理し、その中に観られる植生や土壌を中心 とした自然環境特性との関連を理解することを目的としています。また、様々な自然地理に関する論文を紹介しながら講義を進めます。論文を読み、まとめる力を養いましょう。さらに、測量に関する実測作業や作図の作業を行うことによって地形図を読む能力・作る能力を養ってもらいます。
※教員の実務経験:硝子技術研究会社、リサーチャー
※実務経験をいかした教育内容:
民間の硝子技術研究(分析・実験)会社においてリサーチャー(研究員)として勤務した経験をいかし、我々が生活している地球上の様々な地形などについて、科学的知見をもとに講義をしている。
この授業は、本学のディプロマポリシー【思考力・判断力・表現力】のうち『実社会で生起する様々な課題を正確に理解し、それぞれの学問領域に即して解決策を考える』能力を養うことを目的としています。
【学習到達目標】
自然地理学の基礎を養う。自然地理学の論文を読み、内容の解析を行う。不明な点を自己で調査研究する能力を養う。教育の現場で使用する教材を選択する能力を付ける。堆積作用、浸食作用、造山作用による地形の変容を読み取る。地形図より情報を読み取ることを目的としています。
【履修上の注意】
自然地理学の論文を多数読み、まとめる力を養うため、自作ノートを書いてもらいます。また、自然地理に関してのレポートを書いてもらいます。測量に関する実測作業や作図の際には、定規や色鉛筆、テープなどを用意してもらうことがあります(事前に講義内でアナウンスします)。授業は必ず出席すること。授業中の勝手な私語には、厳しく対処します。
この講義は、対面での実施です。ただし、感染状況によっては、遠隔授業(CCSを活用した基本形授業やTV会議システム(Teams等))として実施する場合があります。
【金2限Teamsコード:dv6t7dd】
【事前準備学習】
平常点・授業態度を重視します。授業中はやる気、集中力、根気でもって臨み、私語、居眠り、遅刻を慎むようにしてください。指定された論文を事前に読み、要約する。わからないことは調べるようにしてください。特に、授業内容を復習し、専門用語の意味等を理解するようにしてください。また、次回の授業範囲を予習してください。TVやインターネット上でも自然地理に関する話題(例えば、NHKスペシャルなど)が多くありますので、積極的に観賞してください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | プリント資料を配布します。 |
参考書 | 『変動する日本列島』 藤田和夫 岩波書店 1985 『日本列島の誕生』 平朝彦 岩波書店 1990 『日本の地形:特質と由来』 貝塚爽平 岩波書店 1991 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
レポート・作図・ノートを提出してもらいます。提出物とともに、平常点・授業態度をもとにして評価を行います。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 1: 自然地理の概要・地球の姿—オリエンテーション | |
2 | 2: 自然環境 | |
3 | 3: 大気の大循環 | |
4 | 4: 海洋の大循環 | |
5 | 5: 世界の地形と地形の形成 | |
6 | 6: 山地の地形 | |
7 | 7: 山地の浸食と地形変化 | |
8 | 8: 氷河地形 | |
9 | 9: 世界の気候変動 | |
10 | 10: 日本の気候変動 | |
11 | 11: 世界の植生と土壌 | |
12 | 12: 熱帯地域 | |
13 | 13: 変動帯の地形 | |
14 | 14: 地形図の読み方 | |
15 | 15: 地形図から自然環境を読み解く | |
16 | 16: 定期試験期間 | |